第一話ゴミ掃除③


その場所は実は毒の沼地だった。


閉め切り続けた部屋は不衛生極まる。


鼠も当然のように沢山、湧く。


肺ペスト、最も危険なタイプである。腺ペスト末期,敗血症型ペストの経過中に肺に菌が侵入して肺炎を続発する場合がある。このとき肺では,肺胞が壊れており,患者はペスト菌を含んだ気道分泌液(血痰など)を排出するようになる。この患者が感染源となり,ヒト-ヒト間で飛沫感染が起こる。経気道感染の場合の潜伏期間は通例2~3日であるが,最短12~15時間という例もある。肺ペスト発病後は通常24時間以内に死亡すると言われる。臨床症状としては,強烈な頭痛,嘔吐,40℃前後の高熱,急激な呼吸困難,鮮紅色の泡立った血痰を伴う重篤な肺炎像を示す。感染経路 ノミによる感染ペスト菌は主に野性ゲッ歯類などの小動物などを感染動物とし,これを吸血するノミを媒介節足動物とする伝播サイクルにより自然界において維持伝播されている。ヒトはこのサイクル中に入り込むことによってペスト菌への感染が成立する。ヒトに対してペスト菌を伝播する主な媒介節足動物は,ネズミノミ属の一種 Xenopsylla cheopis (一般名:東洋ネズミノミ)である。この他,Xenopsylla astia やXenopsylla brasiliensisなどのネズミノミ属のノミ,ならびにSynopsyllus fonquernieiやOropsylla silantiewiなどのノミもペスト菌の伝播に関与しているとされる。


バイオハザード対策、菌に汚染された患者の衣類・リネン,その他の物品が感染源となってさらに他のヒトに感染する危険性が考えられる.特に菌を吸入すると肺ペストを起こす可能性も高いので,汚染した可能性がある物品などは、高圧蒸気滅菌用耐熱性袋に入れ、なるべく速やかにオートクレーブで滅菌する。感染者は中瀬古暗子である。


個人が耐えきれたとしても他の人間は耐えられない、人間は誰もが健康優良ではない。


気力、気弱という言葉が虚弱体質に結びつくのは、気功学、薬膳料理の論理である。


中瀬古暗子はその中で悠長に言葉を並べ始める、それはそれは、醜悪な花ラフレシアだった。


「さぁ、お茶会をしましょう」


茶道、茶釜を置くだけで茶室へと早変わりする、ここでは、礼儀作法云々などもはや護る気にはなれない。まるで地獄の深淵だろう。


「フフフフッ、茶菓子もありますわよ」


怪屋敷と例えても良いだろう。


しかし、その茶菓子は怪しくはない。


長時間いればいるほど、彼女から放たれる毒属性の細菌兵器の魔法は深まっていく。


今は、まだフェイズ1なのである。


紅島駆が彼女をまず初手で殺そうとしたのは、とある策のためでしかなかった。

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