第一刑②ゴミ掃除


伊賀、甲賀の忍者の里には忍者の墓があるというが、それに倣っているのだろうか。


日本の和歌山県、紀州の山奥には車隠くるまがくれの里というのがある。


かつて、車の走り屋ドリフト族というのが、日本各地にいたのだ、なにも群馬県、神奈川県だけではない、この和歌山県にも、ドリフト族というのがここにいる。


それにより、ここは何時しか車隠の里と呼ばれるようになった。


普通にドライブしても、酷道という話を抜きにしていったら、最高のバケーションが楽しめる、キャンプ場もある、温泉もある、北山村、最高の安息の地ベストプレイス


そこの墓場の墓、そこの戒名は紫雲院殿明忍賢徳栄寿大居士と書かれていた。


明忍とは、明確に忍びとしての生業、賢徳は良い成績を収めましたという意味だ。


「ほらよ、中国酒だ」


どうしても、それをお土産として持ち帰りたかったのであろうか。


紅島駆は気兼ねなくそれをワンカップや缶ビールの変わりに墓に置いた。


いやがらせという意図はない、それにしたって、この場所はある意味ありふれている。


墓の上には真っ黒な仮面をした大天狗がいた。とても禍々しいオーラを放っている。


「全ては、我が戯言なり………」


と、紅島駆に向けていい放った。


横に長くあるスペースのある場所でその大天狗と決闘を人知れず行っていた。


「………………右!左!」


ワン、ツー、大天狗はそれだけを大きく二回だけ放った。


そして、紅島駆はそれをジャンプして避けた、大天狗の腕の上に静かに着地をしていた。


そのまま走る、走る、大天狗の顔を無秩序に蹴り上げた。


栄とは、その墓の主の一文字、その一文字が赤く輝いた。


いつの間にか墓の上には邪念が漂っており、固形化して小さな家があった。


LEGOブロックではない、ましてやマインクラフトでもない。


小さな家が鳥の籠の中に入っていた。


そこに入れるようになっている。紅島駆はその中に不自然に入る。


一軒家は平屋であり、4LDといったところだろう。


隣接された平屋には小便器とボットントイレと風呂が離れて建築されていた。


そして、養鶏所がある、そして、犬小屋もある、犬も沢山いた。


裏に行こうとすると、粗末なキッチンがあり、手製のナイフは魚の腸を抉り出すために使い、その近くには小さな水槽がある、水を溜めるにしては異質であった。


そこの部屋に入ると、派手で何も忍ぶ様子のないような真紅色に、髑髏の模様が沢山描かれた和服の一人の女性がいた、ロングヘアーの女性がそこにはいた。


彼女の名前は中瀬古暗子なかせこあんこという、この彼岸で彼女はいるのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る