とある女子高生の会話
鷺島 馨
とある女子高生の会話
「良いよね筋肉……」
「はぁっ!?」
ポロっと溢した私の呟きにオーバーな反応を返してきた友人。
「だってあの
「いやぁ、私にはちょっと……」
「えぇ〜っ、
「だから、わからんってば」
さっきすれ違ったサイクリストのお兄さん。
最初、私の目に飛び込んできたのは太腿、
しなやかにペダリングを繰り返すその美しい筋肉の動きに視線が引き寄せられた。徐々に下がっていった私の視線はかっこいい形をした
期待を裏切らないそのハムストリングス(
「あんたって時々変態だよねぇ」
「失敬な! ちょっと綺麗な足のラインが好きなだけだよぉ!」
「おっさんか! それ綺麗って言うの? 筋肉じゃん。逞しいの間違いじゃない? 私は女性の柔らかそうで綺麗なラインの方がいいなぁ」
「それこそおっさんじゃん!」
「違うよ、憧れるんだよ! 私もあんなラインになりたいって」
「ふ〜ん、そうなんだ」
「あ〜っ、信じてないなぁ〜」
◇◆
私はこのへんた、ゲフン、ゲフン。この一風変わった筋肉フェチの友人の事が心配だ。黙っていれば淡麗な容姿に美しい長い黒髪。スタイルも悪くない。
隠す事のないこの筋肉愛のせいで誰も告白しないし付き合っているという話も聞いた事がない。まあ、本人も彼氏がいるような事は言ってないけど。
でもJKがこれで良いの?
もっとお洒落とか美味しいものに興味を持とうよ。
無理しなくても、ちょっとだけその筋肉愛を引っ込める事ができたらすぐに恋人くらいできそうだし。
こうしてこの子と二人でいられるのもこのへんた、んっ、んんっ、変わった趣味のおかげだし、もう少し、このまま筋肉フェチでいてね。
とある女子高生の会話 鷺島 馨 @melshea
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