深夜の散歩と告白

矢斗刃

深夜の散歩と告白

深夜、俺達は歩いていた。

関係は幼馴染、そこからどうしても進めない。


彼女の事は好きだった。


彼女を幸せにできるのか?そんな事を考えている。

マイナス思考に囚われ俺達は前に進めずにいるのかもしれない。


「どうしたの?」と聞く彼女。

「いや、俺達の関係ってどうなんだろうって考えてた。」思わず言ってしまう。

「そんなのもう、付き合っているに決まっているでしょう?」とからかってくる。

「そんなわけないだろう。俺は納得してないし、お前だって!」


「私は納得しているよ!」そんな風に真剣に見てくる。


いつもと違う。言うなら今しかない。

自分を落ち着けようと言葉を言おうとする。


「俺は・・・お前の事好きだよ!」と真剣に言った。

今まで言ったことなかったのにやっと・・・


「そんなの知ってたし、今更?」


そんな風に決意を台無しにしてくるのが彼女だったりする。俺は頭を抱えた。


「もう、しっかりしてよね。私の彼氏なんだから・・・守ってもらわないといけないんだからね!」とグッと腕を抱き締めてくる。


その顔は赤かったりする。

意外にさっき言った言葉が聞いたのだろうか?


「好きだからな。」一応念押しした。

「そんなのわかっているから。」と赤くなる彼女をからかうのは意外に面白い。


今までのは何だったのかと・・・俺の最近の悩み事は解消された。


そして俺達の本当の付き合いが始まる。



尻に敷かれる彼氏の誕生に・・・実はほくそ笑む彼女。


「計画通り。」と呟いた言葉は彼には届かない。

「そしてここから・・・私を養うために馬車馬のように働く、彼氏の人生が始まったのだった。」

「そんなこと彼氏の目の前で言うんじゃない!」とチョップした。


「いたぁーい。」と涙目だった。俺から手を離している。


一体どこからどこまでが演技なのかわからない。

俺は彼女が本気で好きなのかどうか疑いたくなるレベルだった。


「本当に好きだよ。」と振り向いた俺の口に彼女はキスをするのだった。

「へへへ。」と笑う彼女に俺はどうしたらいいのだろうか?


付き合い始めた俺はわからなかった。


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深夜の散歩と告白 矢斗刃 @ini84dco5lob

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