マッスル・ブースト・キャンプ
とろり。
第1話
肉付家の長男として生まれた強(つよし)は他の兄弟に比べてあまりにも脂肪が付きすぎていた。強はとりあえず『マッスル・ブースト・キャンプ』のオフライン版を視聴することにした。
ハーイ! みんなおはよう! 僕はマッスル! 初めての方はよろしく!
さあ、みんな、朝のルーティンは済んだかい? え? 知らないって? そうか、知らない人のために教えよう。それは筋肉に挨拶をすることだ。自分を目覚めさせると同時に筋肉も目覚めさせる。やってない人はぜひともやってみて欲しい。
おはよう! 僕の筋肉! ってね!
さあ、それじゃあ始めようか。まずはストレッチ。筋肉を動かす前に重要だ。
脚を開いて、上半身を前へ倒してみよう!
そう、そうだ、その調子!
そしたら戻そう。
それを十回!
一、二、三、四、……
よーし、グッジョブ!
さて次は、片足を前に出してもう片方の足を後ろに。ふくらはぎを伸ばしていこう!
そう、そうだ、無理をしない程度に伸ばすんだ! ゆっくりと!
一、二、三、四、……
よーし、グッジョブ!
そろそろ次のステップに移ろう!
準備はいいかい?
まずは軽くスクワット。膝を曲げ、戻す。リズミカルにいくよ!
一、二、三、四、……
よーし、筋肉が喜んでいるようだね!
次は両手を広げて、軽い反復横跳びだ!
いくよ!
スタート!
一、二、三、四、……
いいぞ、その調子! 筋肉が付いてきたんじゃないか?! 時々筋肉と会話をしよう! 筋肉と友達になることが筋力アップの近道だ!
レベルを上げよう。次は腕立て伏せにトライだ。簡単そうに見えて、意外と筋肉に負荷がかかる。だが、これは道具を必要としない取り組みやすい筋トレだ!
さあ、スタートだ!
一、二、三、四、……
ゆっくり下ろして、ゆっくり上げる。下ろしたら少し止めるのがポイントだ!
よーし、上出来だ!
よくやった! 今日はここまでだ!
最後にプロテインを筋肉にプレゼントしてあげよう!
湯上がり後の牛乳と同じように、筋トレ後にはプロテインだ!
さーてお別れの時間だ。みんな、今日は楽しかったかい? また明日みんなに会えるのを楽しみにしているよ! バーイ!!
「つよしーっ! なに寝てんだい! いい加減に起きな!」
「か、かあちゃん!」
強はおしりぺんぺんされ続けた。
子どもボディビル大会で上位ランクの弟たちはそれを見て
「筋トレをサボっちゃ筋肉はつかないよ……」
と呟くのであった。
/
マッスル・ブースト・キャンプ とろり。 @towanosakura
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます