彼と私の美しいシーン
綴。
第1話 彼と私の美しいシーン
彼の瞳は綺麗なブルーだ。
コンタクトレンズだろうか。
見つめられると吸い込まれてしまうそうで。
だけど、私は目が離せないでいる。
高層階のビルの高価な一室。
大きな窓からはスカイツリーが見えている。
さっきまではしゃいでいた彼は、急に大人の顔になった。
髪の毛は黒く、光が当たると青くも見える。
風が吹くと、その髪の毛はさらさらと揺れて甘い香りを運んでくる。
彼は羽織っていたジャケットを脱いだ。
窓際にあるソファーにそれを投げる。
白いシャツのボタンは3つ外されていて、胸の辺りまで見えていた。
(あぁ、素敵…)
彼に見つめられると、吐息しか出なくなってしまう。
「おいで……」
私に聞こえるかどうかわからないくらいの囁き声で、私の方へ彼は手を伸ばしてくれる。
もう返事なんてできなくて。
その伸ばされた手に私がそっと触れると、ゆっくりとそのまま抱き寄せられた。
彼はにっこりと微笑んで、私の髪の毛を撫でる。
(あぁ、もうダメだ…)
私は完全に堕ちてしまっている。
彼の背中に回した腕に彼の筋肉を感じる。
彼は残りのシャツのボタンを全部外して、白いシャツを脱ぎ捨てた。
少しだけ日に焼けている彼の体。
腹筋は8つにくっきりと割れて、胸の筋肉は彼が動くと丸みを帯びる。
(これは、夢?)
私は自分の頬をツネってみた。
(痛いっ……)
「ふっ…」
彼がまた吐息のような音量で少し笑った。
「夢じゃないよ、ほら…」
彼は私の手をそっと、自分の胸に当てる。
(あぁ、ホントだ。)
彼の肌の温もりがゆっくりと私の手に伝わってくる。
「目を閉じて………」
私はゆっくりと目を閉じた。
彼の手に頭を支えられて、口づけをされる。
(もうダメだ、溶けてしまう………)
優しくて甘い香りが私の全てを包んだ。
―――あぁ、もしもあれが私なら。
なんてドラマを見ながら思っている。
それにしても、彼の筋肉は凄くて、瞳はとても魅力的で。
彼は全てが本当に美しい。
彼と私の美しいシーン 綴。 @HOO-MII
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