召喚者の筋肉増強術

異世界流筋肉増強トレーニング

ある日突然筋トレをしていると、異世界に召喚された。そこは、剣と魔法の世界だったのだが、どういう訳か自分にはその才能がなかった。

「･･･と、言うわけで筋トレ教室開いてみたんだ」

「どういうわけですか？」

「俺にもわからん」

これが俗に言う筋肉バカと言うやつだろうか。いや、違うな。これはただのバカだ。

「ま、なんでもいいけど早く筋トレしようぜ」

笑顔で親指を立てる。その顔を見て、生徒達は気を引きしめる。ちなみに、生徒達は皆女の子だ。それも、筋肉は･･･

「む〜〜〜〜！今、私達のことバカにしましたね！」

「し、してないよ！」

おっと危ない。異世界と言うだけあって思考を読む魔法でも使われたようだ。

さてと、気を取り直して始めていこう。まずはアップからだ。これをしないで急に体を動かすと、怪我をしやすくなってしまう。そして次にやるのは体操、ドリル、そしてジョギングだ。これらは怪我防止に繋がる他、体力作りにも繋がる。

「さぁ、やっていくぞ！」

5分後･･･

「はぁはぁ･･･もう･･･らめ･･･れしゅ」

「はぁはぁ･･･限界･･･れしゅ」

「いや、お前ら体力無さすぎんだよ！なんでウォーミングアップで疲れきってんの!?」

この世界に来て１ヶ月は経ったが、この世界の人々の体力は少ないとしか思えない。やはり、魔法に頼りきった生活は良くないのだろう。

「もう･･･これぐらいで･･･勘弁･･･してくらしゃい･･･」

「いや、これぐらいって･･･仕方ない。今日はいつもの3倍きついメニューだ！」

その言葉を聞いて、生徒達は言葉を失う。そして、魂も失う･･･て、失うな！

「お前らなぁ･･･もうわかったよ。いつも通りだ」

「え？やったぁ！」

「ありがとうございます！」

2人はそう言って喜ぶ。踊ったり騒いだりして全力で喜ぶ。それにちょっとイラッとする。

「･･･やっぱ3倍ね」

「えぇぇぇぇ！許してくだしゃい！」