第4話 再会

 有隣堂の戸を開ける。気づいたスタッフが急いで岡崎を呼んできた。


「ブッコローさん!!」


 長い間連絡もせずどこに行っていたのだと叱られているが、ブッコローはとにかく嬉しかった。岡崎も口では叱っていたものの嬉しそうな顔をしている。

 ブッコローの帰還を聞きつけたスタッフ達が続々と集まってきた。そこには未来を視るきっかけとなった間仁田もいた。


「ザキさん、僕、ザキさんに言わなきゃいけないことがあるんです」


 岡崎が顔を上げる。岡崎はしっかりとブッコローを見ていた。


「僕…ザキさんの蓄光ガラスペン割りました」


 岡崎の顔が一瞬で真顔になった。


「え、ちょっと待ってください。私の蓄光ガラスペン割ったんですか?え?え?」


(やべっ、今言うべきじゃなかった…)


「せ、せっかくブッコローさんが帰ってきたんですからその話はまた後に…」


 間仁田がフォローするも岡崎には通用しない。


「どうしてくれるんですか?大切なものなんですよ?」


「う、すいませんでした…」




 感度の再会(?)を果たしたブッコローはまた有隣堂のみんなと共に仕事をすることができるようになったのだった。




               ー終ー

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未来を視たブッコロー、記憶を失った世界 桜大福 @Bopoke4J

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