第2話 覚醒
有隣堂を出るドアへ向かおうと思った時ブッコローはなぜか岡崎の事を考えていた。
(今ザキさんのガラスペンが割れた気がした…?)
気になってブッコローは岡崎のデスクの方へと歩いて行った。
(うっわ、ザキさんガラスペンを机の上に置きっぱじゃん。危ないなぁー)
ブッコローは岡崎のガラスペンをペン置きに置こうとした。
パリンッ
その時ガラスペンはブッコローの手から落ちていた。
(やっべーーー!!!ザキさんの大好きな蓄光ガラスペン割っちゃった!)
急いでガラスペンの破片をかき集めてそっと引き出しの隅っこに隠した。
ふと、ブッコローは考えた。
(あれ、さっき頭に浮かんだことが現実になった…?もしかしてこれが間仁田さんの言ってた力なのか?)
ブッコローは駅までの道で今から乗る電車について考えた。頭に浮かんだのは通勤特急。予想通り、ブッコローが乗った電車は通勤特急だった。
(僕は未来予知を手に入れたのか!?)
翌日ブッコローは意気揚々と競馬場へ向かった。頭に今日のレースを思い浮かべ、勝つ馬を見極める。思い浮かんだ馬に「単勝」でリベンジを図る。昨日のこともあり大金をかけることはしなかったが、ブッコローの中にはなんとなく確信があった。
「よっしゃぁぁぁぁ!!!!」
レースはブッコローの予想通りに進み、見事「単勝」リベンジに成功した。
(やっぱり未来予知の力を手に入れたんだ!フゥゥゥゥーー!)
ブッコローは今までになく最高の気分だった。しかし、まだ昨日の損失は回復しきれていない。ブッコローは電車を乗り継ぎ、これからレースが行われる競馬場に新たな馬券を買いに行った。鳥類お断りの張り紙はどこにも見当たらなかった。
ブッコローが頭に浮かぶ映像を頼りに馬券を買うと、全て的中した。
「やばい、ついに時代はブッコローだ!」
歓喜の声がデカ過ぎて出禁になってしまったが、馬券を換金して大金を得た。
ブッコローの表情筋はにやけが止まらなくなってしまった。
ブッコローは毎日馬券を買っては換金し、大儲けしていた。家に帰るのも惜しく、ホテルに入り浸って過ごしていた。
もうブッコローの財布は軽くなかった。
(最近YouTubeの収録ないな?よぉ〜し、今からザキさんと間仁田さんに報告しに行こう!!)
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