21話目
太谷大治は迷っていた。要救助者は原則避難を優先、基本中の基本である。それを破るどころか、要救助者を上まで担ぎ上げて連れて行く?
そんな話聞いたこともない。だが諦め切れないように山を見上げる名倉京子を見て、太谷は同じように山を見上げていた小寺先輩を思い出していた。名倉は見たところ華奢で小柄、太谷の体躯なら文字通り荷上げするのは可能であろう。名倉本人が言う通り、彼女本体には怪我一つない。
「わかりました。」
太谷は名倉に自分の広い背中を差し出した。
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