18話目
もちろん太谷大治は若い女性に下山を勧めた。そして道中は太谷が背負って行くことも伝えた。しかし若い女性は背負われることは承諾しても、下山は絶対に拒否、頑として譲らなかった。業を煮やした太谷はお互い噛み合わないやり取りをしながらも、お互いに名乗っていないことを思い出した。
「申し遅れました。太谷大治と言います。」
突然の自己紹介に面食らった若い女性、名倉京子と名乗った。太谷の巨体を差し引いても華奢で小さな名倉京子、とはいえ馬返し手前でリタイアするほどやわには見えない、少なくとも気は強そうだ。
「どこか痛めたのですか?」
自己紹介が終わったことに気を良くした見た目通り単純な大男太谷は優しく問いかけた。
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