(下).....愛であると!!!!!

幼馴染の腹筋がメチャクチャに割れた。

一体お前はいきなり何を言っているんだ、と思うかもしれないがマジな話だ。

筋肉マッチョな感じなので困っているのだが。


俺は困惑気味に学校に来た。

それから昼休みに屋上にやって来る。

そして外を眺める。


「.....静佳に何が起こっているか.....」


俺は考えながら空を眺める。

何というか俺はいつもだけどこうして空を眺める事が好きだ。

こういう性格だから財布も奪われるのだろうけど。

最低な話だ。

そう思いながら俺はボーッとする。


「.....やれやれ.....こうして空を見上げても仕方がないんだけどな」


そんな事を言いながら俺は空を見上げたままボーッとする。

筋肉痛がずっとしている。

思ったけど俺ってもしかして財布奪われたから悔しくて筋トレをやっているんじゃない様な気がする。

何というかそうだな。

まあ簡単に言えば.....、とそこまで考えてハッとしてから背後を見る。


「ここに居たの?」


と静佳の声がした。

俺は!と思う。

屋上に上がって来た静佳が立っていた。

そして靡く髪の毛を抑えながら俺を見てきている。

俺は首を傾げた。


「どうしたんだ?静佳」


「.....その.....ここだって思ったから.....来た.....んだけど.....」


モジモジしながら赤くなって俺を見上げてくる静佳。

俺は?を浮かべながら静佳を見た。

すると静佳は、ね、ねえ。.....藤次郎。.....もう無理しなくて良いよ、と俺に向いてきながら話す。

俺は???を浮かべながら、それはどうして?、と尋ねると。


「私が守るから」


「.....わ、私が守る?それはどういう.....」


「もう二度とカツアゲなんかさせない。藤次郎に。.....私がずっと鍛えたのはそれが目的だったの」


「.....ま、まさか.....!?.....お、お前.....俺が好きだったりするのか?」


「そう。.....す、好き.....だもん。藤次郎が」


「.....え!!!!?」


俺は真っ赤になりながら反応する。

すると静佳は唇を結んで俺に向きながら、私は貴方が好き、と言ってくる。

俺は!?と思いながら耳まで真っ赤になる。

それから静佳が勢い良く寄って来た。

そして首を掴んで見上げてくる。


「おい!?ぐあ!苦しい!」


「.....私は.....貴方が大好き。カツアゲされた事が.....本当に悔しい。.....だから私は鍛えた。ここまで来た。私は.....ずっと貴方が好きだったから」


「.....!?」


静佳が俺の胸に手を添える。

そして見上げてくる。

潤んだ瞳で、だ。


俺は慌てながら、お、おう、と反応する。

それから俺は静佳を受け止めながら、なあ。何で俺を好きになったんだ?、と聞いてみると.....静佳は、私はずっと前から貴方が好きだった。今回の件で本気で貴方が死ぬかと思った、と号泣し始める。


「.....ずっと心配だったから.....半年前からバキバキに鍛えた。まだ鍛え足りないと思っているぐらいに.....頑張りたい」


「.....」


ああそうか。

俺は.....だから、と思ってしまった。

答えが見つかったな。


そうか。

俺は.....静佳が好きなんだ。

だから恐れている。

静佳が同じ目にならないかって。

そう考えた。


「俺は.....静佳。お前が好きだ」


「.....え?.....貴方も?」


「ああ。.....俺が筋トレしていたの絶対に理由があるって思ってた。全部、静佳が好きだったんだなって思った」


「.....藤次郎.....」


「.....俺はお前が好きだからこそ動いていたんだな.....」


そんな事を思いながら俺は目の前の静佳を抱きしめる。

何だか良い感じになってきた。

思いながら俺は静佳をジッと見つめる。

そして静佳は目を閉じて見上げてくる.....い、良いのか?

俺は生唾を飲んでからそのままキスをしようとしたが。


でもやっぱり今はしない方が良いかもしれない.....。

そんな気持ちが勝ってから静佳から離れる。

そして、なあ。静佳。今はキスはしないでおこう、と告げる。

すると静佳は、それはもしかして私に配慮して?、とうっとりした目で見てくる。

可愛い目だな.....畜生!


「俺な。お前を大切にしたい」


「.....大切にしたい.....。.....有難う.....そんな事を言ってくれるんだね」


「.....告白されて気持ちを分かち合えて.....それで俺はお前の事をずっと大切に思えるから。だからこそ.....こういう事はお預けで今はしたくない。もっと積みかねてからしたい」


「.....そっか。有難うね」


「ああ」


それから俺は頷きながら静佳を見る。

静佳は俺をまた抱き締めてくる。

そして優しい目で見上げてきたっていうか。


ウサギの様な健気な目で俺は耳まで赤くなる。

かけがえの無い愛しさになるんだな.....人ってこうして好き同士だと。

何だか初めて知った気がする。


それはそうか。

静佳が初めての彼女になりつつあるから、だ。

そんな静佳は、戻ろうか、と切り出してから俺の手を握る。

それからこんな言葉を言ってくる。


「.....告白出来て良かった。藤次郎に」


「.....正直.....驚きだよ。.....お前がそんな事を計画していてやっていた事に」


「私は悔しかった。藤次郎がやられて。愛しい人が.....やられて。だから復讐の為に鍛える事にした。ただそれだけだよ」


「まあそうだろうけど.....でもビックリだな」


「.....強い彼女は嫌い?」


「.....まさか。.....逆に有難いよ」


俺達は笑み合う。

こうして俺は静佳と付き合う事になり。

そのまま世界が広がった気がする。


因みにだが.....俺はジムに通うのを止めない事にした。

それには理由がある。

それは.....強くなってから静佳を守りたい。

そう思ったから、だった。

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筋トレをしに行ったらジムに腹筋バキバキの幼馴染が居た件について アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

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