筋肉ヒーロー
ゆる弥
筋肉ヒーロー
俺の日課は毎日の筋トレだ。
一日五食で主にタンパク質をとるようにしている。一食は大抵プロテインだ。
最近、災害のニュースをよく見る。
各地で災害が多く起こっているようで、なんだか気が休まらないよなぁ。
「おはようございます」
俺はいつもの様に出勤していた。
職場は土木関係の会社だ。
そこの経理をしている。
いつも無駄な筋肉だなんだと言われている。しかし、現場に出てこの身体が傷ついては大変なのだ。
もうすぐ大会が控えている。
「今日も暑そうだな?」
「はい! 暑い中大変だと思いますが、頑張ってください!」
現場のスタッフに挨拶する。
苦笑いで返されてしまう。
現場から連絡があった。
図面を忘れてしまったらしい。
事務所には俺しかいない。
現場に届けないと。
そんなに遠くない現場だった。
「ありがとな」
「いえ!」
突如、グラグラと地面が揺れだしたのだ。
なんだ?
「地震だ!」
誰かが叫んだ。
建物の中の人はみんな逃げてくる。
入口の足場が大きく揺れた。
「まずい! 走って!」
現場の人達は走って建物を離れるが、足場はみんなが向かってきている、こちら側に倒れてくる。
「フンッッッ」
一人で足場を支える。
ここで発揮しないと、この筋肉をどこで発揮する!? 力の限り支えろ!
「今のうちに! 逃げろ!」
力の限り叫んだ。
現場の人は何とか無事だった。
「瓦礫に人が!」
外は阿鼻叫喚として凄まじい状態だった。
瓦礫に親子が挟まれたらしい。
救わなければ。
「おい! 鉄パイプバラして持ってこい!」
現場監督が声をかける。
他の職人さんが足場をバラして鉄パイプを持ってきた。
瓦礫に鉄パイプをかけて、テコの原理で。
「がぁぁぁ! あがらねぇ!」
職人さん達では歯が立たない。
「俺もやります! せーのっ!」
パイプを力一杯押す。
「らぁぁぁぁ!」
何とかあがった。
歓声が上がる。
親子は無事助けられた。
子供が俺を見て笑顔になった。
「ありがとう! 筋肉ヒーロー!」
筋肉ヒーロー ゆる弥 @yuruya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます