第15話 チームで1人欠けても大丈夫なのか?(じゃがりこシチュー)

まめでんきゅう−ねこが住んでいる設定の日本のどこかにあるとされる人口20億人の秘境[千葉県 札幌市]。


この街はカクヨムで小説を投稿する事と、料理を作って他の県に売り捌く稼ぎ方で、白亜紀から栄えていた。


そんな千葉県 札幌市で、四天王を呼ばれる4人の男がいた。


彼らの名前は、『小説スモールセオリー』!


カクヨム界で最も高い執筆技術と、チームを組んでかっこつけたいという好奇心に駆られた強者つわもので構成された、カクヨム界の王。


カクヨム界でも特に名前が知れ渡っている存在で、新作を投稿しただけで、1分でもう☆200000000とかザラにある。


そんな小説スモールセオリーメンバーを紹介する!





まずはリーダーの[ロケット花火マンおさむ]。


彼は、ロケットのような下半身を持ち、上半身は人間という、ケンタウロスのような男だ。


その姿から、一生子供はできないと言われるほど不遇を受けていたが、小説の才能はあったらしく、現在、カクヨム界のトップに君臨している!




2人目は、8つの頭を持ち、仕事と執筆と料理とソシャゲとYouTubeと掃除とあと暇と暇の、[ヤマタノオロチ]!


彼ら?彼?は分担しながら執筆活動しているが、8つの脳を駆使して書いているため、アイデアは人間をも遥かに超える!


しかもIQは全員合わせてなんと1もあるのだ!

これはサボテンよりも頭が悪い!




3人目は、脳は筋肉で構成された、ゴリ押しで全てを解決する男、カニカマ!


彼の作った物語は唐突に始まり、唐突に終わる。


それはまるで唐突に作られ、唐突に食べられるカニカマのようだ!



と、彼は言っているが、そこまで有名なセリフではない!


とにかく執筆のマネがしたいだけのカニカマなのだ!





最後!4人目は、冷徹冷酷無機質無口!


それでもその姿から皆んなに恐れられている、完全に見た目のおかげの男!


スコーピオン!




この4人は後に映画化も期待されていたのだった!













………はずだった!



「カニカマがやられた」


「「⁉︎」」


ロケット花火マン治が2人に言った。


「な、カニカマが⁉︎」


「ああそうだ、ヤマタノオロチ。

彼は読み合い企画で読み合うために他の作家の作品を読んでいたのだが、結局読み返されないことに失望し、失踪したのだ。

その後、誰かに処された」


「マジかよカニカマ……」


「残念な事に、そうなのだ。



そして、その事について、お前らに話す必要がある。














読み合い企画は、読み合わない時もある!」



「わかった。約束する」


ヤマタノオロチは、頷いた。


ロケット花火マン治は続けて言う。


「それと、新たなメンバーを入れる必要がある。じゃないと四天王なのに3人って事で矛盾するからな」


「確カニ」


「ちゅーわけだ。2人とも、四天王に入れたい知り合い作家はいるか?

多数決にするがな」


「あ、[スーパーマンきつ]さんを入れたいな」


ヤマタノオロチが言った。


「ほう、どんな人なんだそれは」


「コーヒー依存症+ガム依存症の人だけど、良い人だよ」


「ガム噛みながらコーヒー飲むのかそいつ⁉︎」


「違うよ、コーヒー飲みながらガム噛むんだよ」

「やってる事微生物レベルで同じだぞ!」


「えぇ、でもその人くらいしか思いつかないなぁ」


「しかし困る。欠けてる状態じゃな。

最近ドーナツをだと言うスコーピオンさんはどう思う?」


ロケット花火マン治は、椅子に座ってドーナツを食べているスコーピオンに聞いた。


「奴は四天王の中で最弱……」

「不謹慎の極み!!!!!!」


「スコーピオンさん、もうちょっと優しい事言ってよ」


ヤマタノオロチがスコーピオンをなだめる。


「ま、まぁとにかく。

…………そうだ、カニカマの部屋から手紙を拾ってきたんだ。読もう。


小説スモールセオリーへ。


いつも美味しいご飯をくれて、ありがとう。


……俺はもう社会で生きるのをやめた。


………これからは自然の中で生活するつもりだ。文明を持つ存在は、約束事を守らないし、返す事もしない。


俺は、自然の方が好きだな。お前らには、お世話になったよ。


ヤマタノオロチ、いつも冷蔵庫から卵が消えていたのは、俺が食べていたからだよ。


なんでかって?食べたかったからだ。怒らないでほしい。


スコーピオンさん、無口だけど、寝る直前にいつもキスしてくれたよね。

いつまでも、その感触は忘れたくない。


ロケット花火マン治、俺に言葉を教えてくれて、本当の本当にありがとう。


この気持ちを、どうしても返したくて返したくて仕方なかった。


結果、家出という最悪の展開になったが……。


リーダーの君は、カリスマ性もあるし、まさに俺が求めている生き方だよ。


…………長々と書いてしまったね。


チームを組んだ当時、俺はこんなに文章を書けるほど、忍耐力と国語力がなかった。


これも全部君たちのおかげだ。本当にありがとう。


もしまた会えるなら、最高傑作を読ませておくれ。


カニカマより」


「うわぁぁぁぁぁぁぁんんんん!カニカマァァァァァァァァァァァァァァァ!」


「………………………ぐすん」


「…………あいつのためにも、最高傑作、書こうぜ!」

「うん!!!!!!」


「さぁ、寝る直前にキスしていたという衝撃の事実を赤裸々に書かれてしまったスコーピオンさん!

どんな話を書こうか⁉︎」


「先に飯食おう」

「「なんだこのマイペースさは!」」



「………ま、そうしようか。

腹が減っては戦はできぬ。今日は何を食べようか」


「じゃあ、俺、シチューが良い!」


ヤマタノオロチは尻尾をばたばたと振った。


「なるほど………。

しかしもう夜だからなぁ……。

蟻の巣に侵入して無双しているスコーピオンさんはどう思う?」


「夜食でシチュー食べて何が悪い」

「うーん、正論!」


「じゃあ決まりだね!


………あれ、ジャガイモないじゃん」


「今切らしている」

「え、ジャガイモないシチューとか毒のないサソリと一緒だよ!」


「そうだなぁ。じゃがりこならあるのに。

ラーメンとチャーハンなら間違いなくカレー派のスコーピオンさんならどうする?」



「じゃがりこでシチューを作れば良い」

「斬新 オブ 斬新だ。早速作ろう」


「じゃあ玉ねぎを適当に慎重に切っていこう」


ヤマタノオロチは包丁を取り出すと、玉ねぎを切り始めた。


「え、適当に慎重に?」

「うん。まぁ考えずに、とりあえず切ってね。けど怪我しないでね」


「今度はマッシュルームを切るのか」

「いしづきを落として4等分の花嫁にしちゃうよ」


「え?4等分の花嫁??????」


「リーダー知らないの?今めっちゃブームなのに?」

「悪かったな音痴で」


「最近ウォーターサーバーでシャワー浴びる事にハマってるスコーピオンさんは、知ってる?」


「知ってる」

「マジかよ。知らないの私だけなのか」


「そりゃ良かった。見た事あんだ」

「ない」

「え?」


「あくまでもタイトルだけ知っている、という事じゃないか?

そうだろスコーピオンさん」


「そう」


「なんだ。

まぁ気を取り直して、鶏もも肉を一口サイズに切っていこう」


「これで全部切り終わったか。フライパンか?」


「そうだよ。

まずはオリーブオイルを敷いて、玉ねぎと鶏もも肉を炒めていくよ。

炒めすぎると固くなっちゃうから、軽く焼き目がつくくらいまで良いからね。

ここに水を1リットルくらい入れよう。

しばらく煮てアクと余分な油を取ってね。ある程度取ったらいよいよじゃがりこ投入!

投入したら浸かるようにしてね」


「じゃがりこって結構水分吸うんだよな」

「だから多めに水入れたんだよ。

ここでマッシュルームを投入!一旦火を止めたら、ルーを入れるよ」


「しっかりかき混ぜて溶かすんだな」


「この時入れる水が少なかったり、すぐ蒸発したりすると、お湯加えたポテトサラダみたくなるからね」

「ルー入れた意味…」


「この後牛乳を130ml入れた後、水を加えて混ぜるよ。

これで完成!!!!!!」


「お、なんか良い匂いだな」


「これをじゃがりこのカップに入れるよ。まぁ皿に入れても良いけど、雰囲気を味わいたいからね!」


「ってか1回で全部食べる必要があるだろこれ」


「え、なぜ??????」


「カップが紙だからレンジで温めると発火するじゃん?」

「えぇ、怖っ」


「だから冷める前に食べようか。







お、美味い!最初は心配してたが、普通にいける。

ボリュームもまぁまぁあるし、夜食とかで食べたいなこれ」


「マジ?ちょっと心配だったけど、良かった良かった」


「さぁ、スマホで空を飛ぶのが好きなスコーピオンさんはどう思う?」


「最高の美味」

「すげぇわヤマタノオロチ。味に地味にうるさいスコーピオンさんを認めさせるとは」


「そりゃ良かった良かった!



ふぅ、お腹いっぱい」



「飯も食ったし、空いた穴の候補メンバーを決めようか。

実は皆んなと仲良くしたいスコーピオンさんは誰かいる?」


「良い、このままで」


「「え??????」」


2人は戸惑った。スコーピオンが続けて言う。


「敢えてそのまま空けておくのだ。

元々我々はカニカマも含めた4人でやっていた。

もはやカニカマ以外に最適な人物が思いつかない。

カニカマを忘れないためにも、敢えて空けておくのだ」


「………確かにそうだな。

四天王だからと言って、4人にする必要はないし、何よりカニカマを忘れないためにも、敢えて残しておくか」


「うん、俺も賛成するよ。カニカマを忘れたくない!」


「よし、俺ら小説スモールセオリーは、永遠に不滅4人だ!」

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