第14話 親子丼みたいな恋をした(親子丼)

「やぁ、僕の名前は田中たなか りく

読者きみの心に話しているが、決しておかしい人ではないので。

突然だけど、僕は、北海道 千葉市から、ここ、千葉県 札幌市に引っ越して来たんだ〜。

そして、自分で言うのもあれだけど、田中財閥の後取り息子でもあんの。

めちゃくちゃお金持ってんの。羨ましい?wwwwwwww。


………嘘です、すんません。

けど、田中財閥の後取り息子なのは本当だから!

んで、ここだけの話なんだけど、僕、もみじちゃんのことが好きなんだ。

まだ実際に話したことはないけど、一目惚れっつーか、めっっっっっっっっさ美人だよね⁉︎

近所の人は、向日葵ひまわりちゃんと合わせて、メスジャイアン&メススネ夫って呼ばれているけど、あんな美人2人がそんなわけないよ!

きっと僕を突き放そうとするための嘘に決まってる!


んで、まぁ、恥ずかしいし、ねぇ、なんつーか、わかってよ。

1人で椛ちゃんと話すなんて無理!けど、2人きりの時間がほしいわけなんだよなぁ。

んで、まぁ間接的にも2人きりの時間を過ごしたいから、彼女を見張ってるんだけど、あのまめでんきゅう−ねことかいう奴が、めちゃくちゃ邪魔なんだよねぇ。

あの猫の分際で!あいつよりも早く!椛ちゃんを勝ち取るんだ!」


田中は千葉県 札幌市 度個煮門寝絵どこにもねぇ 中学校へ向かう途中で、こんな独り言を言っていた。


「はぁ、そこの影から、椛ちゃんが出てきてくれねーかなぁー」


そう考えながら歩いていると、なんと本当に椛が出てきて、2人はぶつかってしまった。


「「痛っ!」」


どてっ!


「だ、大丈夫……?…………⁉︎

(椛ちゃん⁉︎)


「痛てぇな。……o「待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って」」


まめでんきゅう−ねこが、2人の間に飛んできた。


「まめでんきゅう−ねこマン、参上!

す、すんません椛さん!僕の方からあとでキツく叱っておくんで、許して!」


「…………しゃあねぇな」


椛は飛んだバッグを拾うと、先へ進んでいった。


「このバカ猫ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」


陸がまめでんきゅう−ねこを殴った。


「痛ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァい!!!!!!」


「何してくれてんじゃぁぁぁ!

せっかく椛ちゃんとお近づきになると思ったのに!!!!!!」


「え?お、お近づき?椛と?

嘘でしょ?………だってあの人はガキ大将なんだよ?この辺でも特に有名な」


「嘘つけ!あんな可愛くて、美人な人が、ガキ大将なわけねぇーーーーーーだろ!」


「……⁉︎……もしや、君、別の場所から引っ越してきた⁉︎」

「そうだよ」


「あー、それじゃあそうなってもわかる。

椛はね、女版ジャイアン以下って呼ばれてるほど恐れられてるんだよ。

向日葵っていうよく一緒にいる人は、スネ夫なんだけどぉ。

喧嘩っ早い向日葵と一緒にいる時は、悪事ばかり犯すんだけど、最近は1人でいる事が多いわけ。

んで、初見さんが、女版ジャイアン以下のことを勘違いしちゃうわけなんだよねぇ」


「う、嘘だ!そんなの嘘に決まってる!

ぼ、僕は、椛ちゃんの事が、好きだぁぁぁぁ!」


【リプレイ】

好きだぁぁぁぁ!


好きだぁぁぁぁ!


好きだぁぁぁぁ!


好きだぁぁぁぁ!「⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」


陸は、気持ち良さそうな顔で叫んだ。

まめでんきゅう−ねこは慄いた。


「へ、い、今、なんつって?」


「もう一度言う!「言わなくて良い!良い!良い!!!!!!」」


まめでんきゅう−ねこは逃げていった。


「………なんだったんだよ。今の奴。奴も僕の恋を邪魔しようとする奴なんだろうな」









陸は学校に着くと、すぐに椛を眺めた。


「可愛いなぁ」


「お前、正気か?」


周りの男子が集まってきた。陸は頷いた。


「うん。好きに理由は必要ない」


「すまんな。あいつは別なんだわ。

恋愛やラブコメでよく出てくる、性格、成績、顔、全てにおいて最高の女子では、ないんだよあいつは」


「性格も成績も最低!」


「趣味は芝刈り」


「それは草」

↑陸


「すぐにその草も刈り取られるさ」


「(きっとこいつらも椛の事が好きで、僕の恋愛が成功するのを邪魔しようと企んでいるんだろうなぁ)」


陸はそっと軽蔑した。









◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「へぇ、それはヤバいな。また被害者が出てくるぞ」


まめでんきゅう−ねこは、家に帰って、今日起きた事を皆んなに話した。


デメニギスは言った。


「保護者さんに……いや、保護者が信用するかどうか不安だな。

あいつは大人の前では悪事をすることはないから、まぁ大人から見れば、まともで善良な人ってイメージだろうな。

こりゃ、厄介どころの騒ぎじゃねーぞ!」


「もうダメなんじゃない?………(泣)。

今日が日本最後かもしれない」


「ワンチャンあるぞ……。

今日が最後の晩餐になるなこりゃ」


「えぇ、じゃあ最後の日くらい好きなもの食べても良いよね?」


「否定するわけないだろ」


2人を息を合わせて言った。





















「「親子丼!!!!!!」」


「なぜこの2人はこういうところだけ意気投合するのでしょうか……」


「「え、最悪。屈辱」」


「嫌い方も意気投合って……」


「まさかデメニギスと食べたいものが被るとはね。

まぁ、早速作っていくよ。ちなみに僕の好物は鶏だから」


「それを聞いたこの鶏肉たちはどう思っているのでしょうか……」


「恐怖心というより、こんな奴に食われて屈辱だと思うだろうな」

「酷くない⁉︎」


「ま、まぁこの鶏肉たちはもう生きていませんし……なんも考えてないでしょう……」


「お前幽霊だろ⁉︎」


「確かに私が1番言えませんね…」


「まずは玉ねぎの皮を剥いていくよ。この音好き。もはやミュージック」

「独特な音フェチだなお前」


「今回使う玉ねぎは半分だけなんですね」

「確かに。もう半分は?」


「美味しいと思うよ」

「会話ができねぇわこの猫」


「使う方の玉ねぎは切り刻んでね」

「物理的にも絵面的にもカットされる玉ねぎさん」


「ヤバい玉ねぎ切ったからめっちゃ涙出る」


「私も玉ねぎの親の事を考えたら涙が……」


「いろんな意味で俺も涙出てきた」


「泣いてる暇ないよ!」

「どの口が言ってやがる」


「この口」

「正論」


「親子丼のタレを作っていくよ。

ここで初登場!白だし!皆んなも疑われたら、白だし!って言ってね」


「クソどうでもいい助言」

「それは助言ではないのでは⁉︎」


「白だしを入れる量は適当でOKだよ」

「参考にならねぇなこの小説」


「みりんも適当で良いよ。その後醤油もぶっ込んで」


「醤油の量は?(震え声)」






「適当」

「知ってた」


「最後にシュガーを入れます。甘いの苦手な人は入れなくて良いと思うよ。

まぁ僕は甘党なんで入れるけど」


「お前甘党だったんかよ!」


「デメニギスさんは何党ですか?」

葛藤かっとう


「深海魚っぽいですね………」


「でも味覚なら苦党だな」




苦党くとうなんてあるんですか⁉︎」

「そこは苦党にがとうって呼べよ!」


「はいはい夫婦喧嘩はよして」

「「は??????」」


「すいませんでした?」


「なんでそこ?をつける!」


「はいこれらを全て混ぜたら親子丼のタレ完成〜〜〜!」


「急に真面目にやりやがった」


「次は親子丼の子供枠の卵を溶いていくよ」


「まだ生まれてないのに子供扱いされてしまうんですね」


「独特の観点持ち込まないで⁉︎」

「気味悪いですか?」


「黄身悪い話だよ」


「なぜか責任転換される卵」


「卵は2個、ボウルに割ってね」


「は⁉︎2個も使うのかよ⁉︎」


「うん、贅沢だよね〜〜。

卵は混ぜるけど、混ぜすぎない方が美味しいらしいよ。

さぁ、主役は揃った。早速フライパンで焼いていきやす。

まずは玉ねぎがしなるくらいまで焼いていくよ」


「肉からじゃないんだな」


「肉じゃが?」

「難聴かお前」


「だいたい焼けたら、さっき作ったタレをぶち込むよ」


「肉は焼かないのか?」


「生肉の方が美味しいじゃん」

「猫の本能出ちゃってる!」


「冗談だよ多分」

「多分??????」


「そしたらメインの鶏肉を投入!」

「良かった冗談で」


「んでまぁ、30分くらい中火にかけてじっくり火を通すよ」


「玉ねぎにも味が染みるしな」


「30分経ったら卵を投入すんだけど、3分の1くらいは残しておいてね」


「最後に改めて入れる感じですね」


「そうそう。

んで、フライパンに入れた方の卵はゆるくかき混ぜるよ。

もはやゆるキャラだよね」


「食べ物にしか見えないな」


「この人くまモンの事熊肉としか思ってないタイプじゃん」


「そんなタイプこの世にいねぇーから」


「火を止めて残りの卵を入れたら親子丼の完成!」


「良かったのかなぁ。最後の晩餐がこれで」

「確かに」


「2人とも!そんな失望しないでくださいよ!」


「そ、そうだよね。じゃあご飯の上に乗せて、食べようか」




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



陸は、下校中、椛を探していた。


「(あぁ、どこに行ったのかなぁ。

早く会いたい!椛ちゃんに!会いたい!

あ、いた!ようし、少し、話してみよう!)

も、椛ちゃん………?」


「ん?んだよ。………誰だお前」


「ぼ、僕ゲフンゲフン、俺は田中 陸。つい最近、引っ越してきたんだ(イケボ)。

その、君が気になってね。つい話しかけてしまったよ」


「あっそ」


「隣、良い?」

「どーぞ」


2人は公園のベンチに、座って、落ちている空き缶に群がる蟻たちを眺めていた。



「…………ね、ねぇ」


陸が喋った。


「その、千葉県 札幌市ってどんなところなの?」


「えぇ?ここ?ここはねぇ、私の王k「ゲフンゲフンゲフンゲフンゲフンゲフンゲフンゲフンゲフンゲフンゲフンゲフン」」


突然誰かの声がした。


「(ん⁉︎この声、あのまめでんきゅう−ねことかいう奴じゃねーか!ムードぶち壊しやがって!)」


「おう?まめでんきゅう−ねこじゃん」


椛は、草むらに隠れている、まめでんきゅう−ねこと、彼のライバル、旨井造うまいぞうを見つけた。


「(なんかガキがもう1人おるしーーーーー!)」


「椛、今何言った⁉︎」


まめでんきゅう−ねこが聞いた。


「え、私の王国だよって言ったんだが?」


「知ってた」


「おい、ガキ2人!椛ちゃんから離れろ!」


陸が2人に向かって怒鳴る。



「おいおい、そんな怒鳴る事あったか〜?」


「椛ちゃん、一緒に逃げよう!どこか、遠くの遠くへ!」


「え、やだ」

「え…………………」


「さっきからお前、腹立つんだよ。殴って良いか?」


「え」


「そうだ!椛さんやっちゃえ!」


「正義は必ず勝つ!」


「へ、へ、へ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!


やだぁぁぁぁぁ!!!!!!




ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァママァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」



陸は、奇声を上げながら、逃げていった。

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