第13話 マルチデメニギス 後編(マグロユッケ丼)

部屋の空気が凍りついた。


「……Dが怪しくないか?全然喋らないし(E)」


「え、え、え、え、え⁉︎

(終わった。喋らなすぎて犯人扱いとかもう人生負け組じゃん。

マジで詰んだ。うわ、マジか)(D)」


「俺はその話を持ち出したお前が怪しいと思うんだが。(B)

ほら、よく小説では……特にミステリー系。

そういう話を持ち出した奴が犯人だったりするからな」


「ほう、小説と現実が同じとでも言いたいのか(E)」


「ですが、疑わしい自分がいると考えてしまう状況でもあります(G)」


「うーん、あんま自分が犯人とは考えたくないなぁ。(A)












 


         え、誰?」


Aの目の前に、リュウグウノツカイがいた。


「わ⁉︎やっと「誰だよお前!」」「もしやデメニギ「そんなわけないだろ」」「わ、長いなぁ「なんだこいつーーー!」」


「よしよし、全員いるね」


リュウグウノツカイは不敵な笑みを浮かべた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ちょちょちょ待て!

俺は別世界のデメニギスなんだよ!(I)

頼む信じてくれ」


まめでんきゅう−ねこたちの目の前に、デメニギスが現れたのだが、様子がおかしい。


「本当に〜?本当は料理したくないからなんじゃないの?」


「違う!俺は別世界のデメニギスなんだ!」


「別世界でも見た目は同じなんですね」


「幽霊まで!いやマジで!ねぇ!本当のこと言って何が悪い!」


「聴診器来て〜〜〜」


まめでんきゅう−ねこは聴診器を呼んだ。

すると、洗面所から聴診器が飛んできた。


「へいへい、どうしたんだい」


「このデメニギスの心を読んで」


「どうやら嘘はついてないらしいぞ」

「え、マジ?」


「ほらな!」


「え、じゃあうちのデメニギスはどこへ……」


「今彼は別世界に隔離されている」


「そんなことある〜〜?」

「ある」


「返しがめっちゃ早い!

…………んで、君のような別世界のデメニギスが出てきちゃったわけだね?」


「そう!

んでちょっと厄介な存在が生まれてしまってね。

……世界は1つじゃないって事は理解したか?」


「うん」「はい」「OK!」


多元宇宙論マルチバースってやつですね。

宇宙は複数あり、その宇宙の分だけ同一人物がいると」


「そうだな。まぁそんな感じ。

んで、本題なんだけど、リュウグウノツカイって奴がいてね。宇宙でも名高い指名手配犯なんだよ。

そいつが身代金を要求するために、いろんな世界のデメニギスを集めてしまったわけでね。

まぁ、難しいこと言ってしまったが、1部屋に大量のデメニギスが集められていることには変わらん」


「1部屋に大量のデメニギスとかめっちゃヤバい絵面してますね」


「今思うけどすごいけど触れなかった僕らもすごいと思う。

……んで、それって君らで解決できないの?」


「なんか深海魚に対する超強力なバリアが張られていて、デメニギスじゃ勝てないんだよ」

「深海魚に対するバリア……?」


「ま、俺らにとっちゃそんな敵すぐに倒せるさ。協力しようじゃねぇか」


「え、良いの聴診器⁉︎」


「ああ。お前らは?」


「私には【危険性】というものがないので、力になれるなら行きます」

「まぁ既に幽霊になってるからな……」


「えぇ、僕?僕はねぇ。






























 

     弁当作ってからね」


「「「え?」」」


「今回はマグロユッケ丼作っていくよ」


「おいこんな時に料理してる場合じゃないだろ。ってかマグロユッケ丼とか豪華な弁当だな!」


「別世界のデメニギスさんもすごいツッコミますね……。

この世界のまめでんきゅう−ねこさんは料理企画してるので……」


「一応真面目に企画してるんだあれで……」


「まずはユッケのタレを作るよ。

ボウルを用意!なるべく大きめのね?

そしたらここに醤油大さじ1、料理酒大さじ1入れてね。あとはごま油も大さじ1。コチュジャンも大さじ1なんですよぉこれがぁ!」


「知ってた(大さじ1が)」


「白ごまを入れて混ぜて混ぜて混ぜまくってね。

これでタレは完成!」


「以外と簡単ですね」


「お次はマグロぉの時間だよぉ」


「こいつ普段からこんな感じなのか?」


「普段はこんな感じじゃなきですが、ヤバい人ではあります」


「わーお知ってたーー!」


「でも作者よりかは全然変じゃないでしょ」


僕の評価めっちゃ下がってますやん。


「マグロは適当に半分に切ってね」


「適当に慎重にじゃないのかい?」


「ああそうだった。適当に慎重に切ってね」


「素が出たな…」


「んで適当に慎重にまた切っていく〜」


「魚関係の仕事の人が見たら発狂しようだなおい」


「と、深海魚に言われても」


「そうだ俺魚だったわ」


「ってか包丁でリュウグウノツカイ倒せるんじゃない?

安い包丁とかなら特にさ?」


「この世界のまめでんきゅう−ねこってサイコパス?」


「単純に頭のネジが吹っ飛んでいるだけで悪い奴ではないぜ」


「そうか良かった(麻痺)」


「はいマグロ切り終わった。

これをユッケタレに入れるよ。んで混ぜる混ぜる混ぜるーーー!」


「今回テンション高いですね」


「贅沢だからねぇ!

こんな贅沢な料理を弁当扱いしたくない!ここで食べちゃお」


「んでまた新しく弁当作るのに時間がかかるのか」


「あとはボウルごとラップしちゃって冷蔵庫で30分!」


「長いなぁ(絶望)」

↑タイトル伏線回収。


「大丈夫。既に30分経ったものがここにあるから」


「最初からそれ使え!」


「こっちの世界ではこっちのやり方があるんだよ!」


「頭の回転速いのになぜか素直に喜べない」


「ご飯を丼ぶりに乗せて、それっぽく大葉を乗っけて、あとはマグロユッケを入れていく!」


「あれ、中央が空くように乗せていきますね」


「そうだよ。この中に卵黄を入れるためなんだよね」


「おお贅沢!」


「これで完成!じゃあ早速食べy」


「できたのならとっとと行くぞ!」


「え?








あーそーだった忘れてたーーー!」

「忘れてたのかよ!」



デメニギスの頭上に開いた穴に、4人は吸い込まれていった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


リュウグウノツカイはドヤ顔しながら言った。


「今からお前らは「わーーーんこんなん僕じゃないよーーー!(F)」」


「ちょ、人が話している時に……。

んで、今からお前らは「この生物はリュウグウノツカイという深海の生き物ですよ…(G)」」


「おいお前ら少しは話を聞k「おいヘビ!ここどこだよ(E)」」


「ヘビ⁉︎⁉︎いや違う違う。俺は超深海魚、リュウグウノツk」


「は?お前まめでんきゅう−ねこよりも超深海魚だと言うのかよ(C)」

「猫は深海魚じゃねーだろうが!しゃらっぷ!」


デメニギスたちは静かになった。


「お前らは人質だ。今から警察に電話して身代金を要求するつもりなんだ」


「その金、おいらにも分けてくれー!(H)」


「ダメに決まってるだろ」


「なんだそんなことかよ。(E)

ならばお前をここで始末する!」


「お前は戦闘好きのようだな。よろしい、お前らを少し黙らせてやるよ。

俺直々にな!!!!!!」





リュウグウノツカイが

瞬間移動ワープノツカイ

と叫ぶと、なんと荒野に転送されてしまった!


「な、なんだここは!(G)」


「は⁉︎ちょ、リュウグウ!どこ行きやがった!(E)」


「俺はここだ!逃げ続けることができるかな?」


遥か上空に、リュウグウノツカイがいた。




「は⁉︎降りてこい卑怯者!(E)」


「嫌だね!食らえ!

光線銃ウルトラショットノツカイ』!」


リュウグウノツカイから、巨大な水塊が3つ同時に発射された。


「Eさん逃げて!(F)」


「………(E)」


Eは呆然として、ただ水塊を眺めていた。


その時!















ズドォォォォォォォォォン


黄色い光と共にEのデメニギスが消えた!



「⁉︎……(アルファベット一同)」


「ったく、危ない危ない………」





なんとまめでんきゅう−ねこが、Eのデメニギスを背負っていた。


「⁉︎……お、おまe」


「本当テメェ弱いなぁ。

もうちょっと強くなってから挑め(Eのまめでんきゅう−ねこ)」


「す、すまねぇ(E)」


「おいあのヘビを○れば良いんだな?(Eのまめでんきゅう−ねこ)」


「お、おう(E)」


「よし、いっちょ揉んでやるよ!

吹き飛ばされんなよ!ついて来い!(Eのまめでんきゅう−ねこ)」


Eのまめでんきゅう−ねこはリュウグウノツカイに一直線に飛んでいった。


「相変わらず速ぇよ(E)」


「な、なんなんだ今の(E以外のアルファベット一同)」


「おーーーーーい皆んなーーー!」



ズドォォォォォォォォォン


また誰か降ってきた。









「俺が助けに来たぜ!(I)」


デメニギスが降ってきた。


「これ以上増えるな!(I以外のアルファベット一同)」


「ちょ待て、俺だけじゃない!お前らの相棒もいるぜ!(I)」


デメニギスの上空から大量のまめでんきゅう−ねこが現れた。


「え⁉︎お、お前は!(A)」


「やぁ、お電気だった?まめでんきゅう−ねこだよ!(Aのまめねこ)」


「おぉ、勝ち確演出かこれはぁ⁉︎

あのリュウグウノツカイ、ヤバい奴なんだよ(A)」


「知ってる。ちょっくら行ってくるね!(Aのまめねこ)」


Aのまめでんきゅう−ねこは聴診器と共にリュウグウノツカイへ飛んでいった。


「まさかこんなところで俺の力が発揮されるとはなぁ!(聴診器)」


「まぁ疲れるのはあんま好きじゃないから、とっとと倒すよ!(Aのまめねこ)」




他にもいろんなアルファベットのまめねこが降ってきたのだ!


「わぁ、おいら怖かったよぉぉ!まめねこ〜〜!(H)」


「全く、もうちょっとしっかりして!ほら、帰るよ!(Hのまめねこ)」




「ふぅ、良かったですよまた会えて(G)」


「そんな、別に別れたわけではないですし、まだまだお互い現役ですよ!(Gのまめねこ)」




「わぁぁぁぁい!まめでんきゅう−ねこちゃぁぁぁん!(C)」


「…………(Cのまめねこ)」

↑人形。




「ちょっと!触手の実験するんだよはよ帰るぞ!(Fのまめねこ)」


「わぁぁぁぁぁぁぁぁやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!(F)」





「(あれ、なんで俺のまめでんきゅう−ねこいないの?)(D)























  (あ、そうだ俺以外全員旅行行ってるんだった)」






「まさか、こんな感じで再会するとは思わなかったな(B)」


Bのまめねこは頷いた。


「もうすぐそっち行くからな(B)」


Bのまめねこは首を振った。


「わかったよ。………頑張るからもう少し(B)」














A(いつもの)のまめでんきゅう−ねこは、電撃を放ってリュウグウノツカイを攻撃する。


「当たらないよ!」


「チッ、心を読んで先読みしようとしても、奴は無心らしいな!」


「何も考えないであんだけ行動できんの⁉︎」


「猫と聴診器じゃあ、リュウグウノツカイは倒せんよ」


リュウグウノツカイは水塊を放った。


ズドバァァァァァァァァァン







水塊が放たれる前に、まめでんきゅう−ねこは、尻尾のコンセントでリュウグウノツカイを掴んだ。


「ぐっ!絡まって離れない!」


「コンセントはよく絡まるからね!」


「今だ!奴が固定された!(I)

全員突撃ーーーーー!」


「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!(リュウグウノツカイ以外全員)」



「げっ⁉︎ヤバい!こ、こうなりゃ、最終手段!必殺!『最強波動デンジャラスノツカイ』」



ズドカァァァァァァァァァァァァァァン


















リュウグウノツカイは消滅した。


まめねことデメニギスたちは、空間のトンネルのような場所に流されていた。


「良かった!これで元の世界に戻れる。(I)

協力してくれてありがとう!」


「いえいえ〜。(Aのまめねこ)

………あ、マグロユッケ丼忘れた」


「は⁉︎ユッケ⁉︎(Aのデメニギス)」


「今日ゴミ分別する約束でしょ!早く帰るよ!(Hのまめねこ)」


「面倒くせぇ……(Hのデメニギス)」


「良いな。なんか、いろんな僕がいてさ(Eのまめねこ)」


「そ、そうだな。まぁ結構楽しかったよ(Eのデメニギス)」


「楽しみだね。(Fのまめねこ)」







        夏コミ」


「ヒャァァァァァァァァァァァァァ(Fのデメニギス)」


「まめでんきゅう−ねこちゃん!やっと帰れるよ(Cのデメニギス)」


「あれで良いんすかねぇ。あのデメニギスさんは(Gのまめねこ)」


「彼が楽しければ……(Gのデメニギス)」


「(はぁ、なんか、めっちゃ疲れた………)(D)」


「またな。(Bのデメニギス)

頑張って生きるよ」

















◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


こっからいつもの、まめでんきゅう−ねことデメニギスです。




「はぁ、さすがに疲れたなぁ。

ああそうだ、ユッケ丼食おうぜ」

↑いつものデメニギス。


「もう食べた」


「は?……ってかお前、リュウグウノツカイじゃねーか!」


「身代金はやめた!代わりにお前の立ち位置を奪うことにした!」


「そうか。どうぞ」


「え?」


「ん?いや、めっちゃ疲れるけど?この立ち位置。

それでも良いなら喜んで譲るぜ?」


「すまんネタだ今の。さいなら」

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