第11話 塾で革命が起きた時の対処法(オムライス)

こうして幽霊は晴れて塾教師になった。







◇エデュ研 千葉県 札幌市教室◇


幽霊は生徒に向かって言った。


「皆さんおd…どうもはじめまして。幽霊です。

今日から塾教師としてここで働くことになりました。よろしくお願いします」


「いえいえ、こちらこそ」


「えっとー、君の名前は…金欠で間違いないですか?」


「はい」


「(お利口そうな人ですね。案外塾教師というものは難しくないかもしれませんね)」


そして、1時間半の授業が始まった。


「授業、終わり!!!!!!」


塾長が叫んで、授業が終わった。ここの伝統らしい。


「(ふう、あまり苦労はしませんでしたね。ここで働いて本当に良かったですよ)」


幽霊はお茶を飲んで、休憩していると、トイレの方から声が聞こえてきた。


最初はあまり気にしてなかったが、会話内容が興味深いものだった。


「おい、金、貸せ」


「な、なんでですか!」


「良いだろーが。お前んち、金あんだろ」


金欠が他の生徒から金を借りようとしていた。


「(…?……お金のやり取り?……まぁここの塾がどういうルールなのかわからないので、口を出すのはやめておきましょう)」


幽霊はまたお茶を飲んだ。その後…。


「おいなぜ金を貸すことすらできないんだ?金銭を俺の手に置く!それだけの話だ。

お前、なんか調子に乗ってんじゃねーか?」


「やめて!ぼ、暴力は!暴力はいけない!」


さすがの幽霊も、ビクッとなった。


「と、トイレで何が起きているのでしょうか……」


ちょうどその時、授業が始まってしまった。

しかも今回の幽霊の担当は金欠ではない。


「何があったんでしょうか……」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「幽霊、今頃授業してんのかなぁ」


「いや、昼だから今はやってないんじゃね」


まめでんきゅう−ねことデメニギスは、椅子に座って、のんびりしていた。

とゆうより、やることがなくて暇だった。


「まさか幽霊も働くことになるとはね」


「これで1人、収入を得る人が増えたな」


「まぁ僕らってニートの集まりだしさ、嬉しいよね、こういうの」

「お前もニートだぞ?」


「ってかもう昼じゃん!そろそろなんか食べよう」


「例えば?」


「オムライスにしよう!」


「……は?」


「オムライスだよ」


「お前、オムライス作れるのか…?」


「やればできる」

「このタイミングでは使うべきものではない」


「おーい、風!」


風が2階から降りてきた。


「はいなんですか先輩!」


「オムライス、作るよ!」


「寝てきて良いすか?」

「期待されてなくて草」


「え、酷くない?」


「ま、まぁそこまで言うなら作ろうじゃねーか」


「じゃあ玉ねぎの皮を剥げて、みじん切りにするよ。

結構大雑把に切って大丈夫」


「料理上手い人ってよく横にも切ってるけど、大きめのみじん切りなら縦だけでも十分バラバラになるんだぜ」


「お次はマッシュルームを切りますよ〜。

このいしづきの部分は黒い汚れたところが取れていれば切らなくても良いんだけど、カンペに習って切ります」


メタ発言をするな…。


「と、自称メタ発言の極みに怒られた。屈辱です」


僕メタ発言の極みなんて言ってたっけ⁉︎


「過去の作者が言ってたよ」


頭おかしすぎだろ過去の僕。


「こう作者と会話してる時点でメタ発言よりもメタいことに気づけ…」


「さーせんした」


「ま、マッシュルームはどのくらいの大きさで切れば良いんですか?」


「風が空気読んで話題変えたぞ…」


「2mmくらいの大きさかな?食感を味わうためだね。













ちなみに作者はきのこ嫌いだよね」


「なんでマッシュルーム入れた?」


え、いや、なんとなく。


「一周回って好きなんじゃねーのかお前…」


え、僕のこと好きなの。けど僕魚の彼女はいらないかなぁ?


「は?お前のこと好きじゃねーし。むしろ嫌いだから安心しろボケナス畑」


嫌いということがめっちゃ伝わる!


「ってか俺が彼女側なんだな」


まぁ彼氏でも良いよ。


「そーゆうことじゃない」


「じゃ、じゃあ次は鶏モモ肉を切っていくよ。1.5くらいの大きさかなぁ。

これで主役は揃った。フライパンにバターを入れて、ある程度熱して溶けたら鶏肉から入れていくよ」


「鶏肉→玉ねぎ→マッシュルームの順番で良いか?」


「知らないよ。

鶏肉が半分焼けたら玉ねぎ入れても良いかな」


「華麗にスルーするな」


「ここでソルトペッパーをよく振っておいてね。

んで次は玉ねぎ投入!透明になり始めるくらいまで炒めてね」


「お前、今日は真面目にy」


「透明になり始めたらマッシュルームを入れてね」

「俺のこと嫌いか?」


「うん!」

「そんな元気よく言われても困る……」


「まぁ先輩とデメニギスさんっていつも喧嘩してますよね」


「あれは演技だから勘違いしないでね」

「そんなことないぞ?」


「まぁわかっているよ。猫と魚、僕にとっちゃデメニギスは非常食だからねぇ」


「サイコパスになりつつあるからやめろ」


「冗談だよ多分」


「多分??????」


「ちょっと焦げてきたらご飯を2杯分豪快に慎重に入れるよ」


「また謎の理論生み出したぞこいつ」


「やっぱぁ、豪快すぎるのも良くないし、慎重すぎるのも良くないと思うんだよね。

中途半端が1番良い!」


「言い方を変えろ言い方を」


「ご飯はほぐすように混ぜてね。

ある程度混ざったら中心を空けて、そこにケチャップを入れて、また混ぜるよ」


「混ぜまくるな」


「まぁチキンライスって、いろいろ混ざってるからね。

まるで作者みたい」


「すまんどーゆうことだ?作者」


そうだね。まずAIを育ててます。

あと、僕が入っている部活に、何体かキャラクターがいるんですけど、そいつらのテーマ曲を作曲して提供しています。

あとそのキャラクターたちの一部を現実で作ってます。

あとLINEスタンプも作ってますね。

最近はYouTubeで動画を投稿してみたいと思ってるけど、受験期なので、少なくとも今年は無理でしょうね。


「めっちゃいろいろ混ざってるな……。

そういやお前、受験生だったな。

どうだ?勉強は」


「え、べんきょう?なにそれおいしいの?」


「日本語っていう奴から学べ」


「さぁチキンライスは完成!

今度はオムライスの卵の部分を作っていくよ。

なんと今回は贅沢に卵を3つも使うよ」


「え⁉︎3つもですか⁉︎もったいないですよ!」


「もったいないって言って、結局最後まで使わないで賞味期限切れしちゃうのが1番もったいないからね」


「いや、僕は賞味期限切れさせてしまった方が、卵も喜ぶんじゃないかなぁと思います」


「この2人先輩後輩なのに合わねぇな考えが」


「卵をほぐすよ」

「ァァァァァァァァァァ卵さァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァん!」


「うるせぇ」


「ほぐした卵にソルトを入れて、まぁぁたフライパンにバターを入れて卵を焼くよ。

ちなみに中火ね」


「まぁここらへんは普通のオムライス作る時と同じだからな」


「ここからはいかに固めずにひっくり返せるかだね。

しっかり混ぜながらフライパンを前後に動かしてふわふわの状態を作っていくんだね」


「ある程度したらちょっと浮かしてぐるぐるすると余熱でいい感じになりやすいようだな」


「まぁ調子に乗ってやりすぎるとスクランブルエッグになっちゃうから気をつけてね。

ちょっとだけ放置少女して裏側が繋がったら、半分にしていくよ」


「お、上手くいったな」


「行かなきゃ物語が進まないからね」

「お前もメタ発言の極みだよ」


「この状態から半生のちょっと見えてる部分を下にできれば成功なんだね。
























   失敗成功したよ」

「どっちだよ」


失敗しました。


「ルビで悪あがきするな」


「チキンライスの上にさっきできた卵を乗せて、切り込みを入れるよ」


「なんでだ?」


「この状態は、二重になってる状態だから、切り込みを入れて、重なっている部分を広げる必要があるんだよね。

いざ、入刀!」











「とまぁ、こんな感じかなぁ」


「さっき失敗した部分は固くて開きにくいな」


「まぁ大丈夫じゃん?

あとはケチャップでお絵描きしてね。

これで完成!早速食べようか」


「あ、あれ、俺らの分は?」


「自分で作って〜www」


「「えぇ………」」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


幽霊は塾長に、トイレで聞いた会話の内容を話した。


「そうか。………金欠くん、こっちへおいで。

……………なんで、こんなことをしたのかな?」


金欠は言った。


「金が……お金がなかったからです。

うちは貧乏で、毎日、ネズミや虫を食べているんです。

だから、金が欲しくて、塾に入ったわけです」


「そうか。………出ていってほしい」


「⁉︎…………」


「出ていけ」


「………………」


金欠は部屋を出て、靴を履いた。

幽霊は彼を止めようとした。


「待ってください!君が貧乏なのはわかりました。

ですが、君がしたことはいけないことです!ヤクザとやってること一緒ですから」


「だから出ていくんですよ」


「けど、出ていくのはもう少し考えてからです!

私の家はニートばかりです。ほぼ皆んな働いていません。

でも、ヤクザみたいなことをした人は誰もいません!

それは、なぜだと思いますか?」


「知らない」


「料理です。ご飯です。美味しいものを食べているからなんです。

君は虫を食べているそうですが、美味しい料理を食べれば!きっと!」


「それは金があるからでしょ?」


「……そうかもしれません。

ですが、料理というものは、源です!

味、見た目、匂いなど、あらゆるものが揃ったものが料理です!

しかし、愛情がこもったものも料理になるはずです!

うちは料理企画をしてるんですが、味は最悪です。

でも、それを作っている人は、とても優しい人です。

君も、優しい、信じられている人に作ってもらう料理は美味しいと感じるはずです。


だから…………そのぉ…………虫を、料理してはいかがでしょうか?」


「⁉︎………」


「料理は全てを解決します、多分。

少しでもお腹を満たせるよう、料理してみてください」


「………上手いね。いろんな意味で」

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