第4話 スプラトゥーンで負けたら主役交代!前編(カニクリームコロッケ)
スプラトゥーン。それは、任天堂ゲーム機を持っている全てのユーザー(多分)を魅了する、画期的なゲームである。
イカと人間に変身できる海洋生物インクリングが、インクを飛ばす武器を使って地面を塗ってナワバリを広げて争う三人称視点のFPSである。
これは、そんなスプラトゥーンによって織りなす物語である。
ここは、千葉県 札幌市
「やあ、僕は
僕はスプラトゥーンの事ならなんでもできるんだ。
ランクはX帯(最強クラス)、XP(X帯のパワーランク)は平均3000超え。
サモラン(鮭を倒しながら、イクラを集めるゲーム)も全ステージカンスト。
もはやスプラの神と言っても過言ではない」
「きゃーーーー!旨井造くん今日もカッコいい!」
「きゃーーーー!旨井造くん今日も素敵〜〜!」
「やあ、今日もありがとう、名も知らぬ女子たちよ」
「ちょっとそこの泥棒猫!旨井造くんは私のものだよ⁉︎」
「は?調子に乗るのも大概にしろ、泥棒犬!」
「スプラトゥーンが上手いってだけで、こんなにもモテモテになってしまうとは、いやぁ、僕の腕って、なんて罪深いのだろうか」
彼は学校の中に入った。
「なあ田中ぁ、昨日S+帯(X帯の次に強いクラス)にやっといけたよ」
「おお良かったじゃん。これからも頑張ってくれよ」
彼のクラスメイトがスプラトゥーンのことについて会話している。
「読者の皆さんはスプラトゥーンをやったことがあるだろうか?僕はスプラトゥーンでクラス内のカーストで上位に昇ってしまった。
僕がそこをどけと言ったら、誰もがどく。
僕が教室に入れば誰もが僕を讃え、万歳する。
人生をまさかゲームで勝ち取るとは、2ヶ月前の僕は思いもしなかった」
「あ、旨井造くんだ!万歳しろ皆んな!」
「万歳ーーーーーー!万歳ーーーーーーーーー!」
「アハハハハハハハ、全く、その上げた手を下げなよ。なぁに、そこまで賞賛されることじゃないさ」
「いやいや、XP平均3000超えなんて、この街で君だけだよ。賞賛されるべきだ」
「そうか、だが、ほどほどにしてくれよw?………おっと、もうこんな時間だ。スプラトゥーンの練習をしてくるよ」
「皆んな!旨井造くんがスプラトゥーンの練習をしに行くぞ!道をどけろ!」
「ちなみに旨井造さん!今日はどんな武器を使うのですか?」
「今日はボールドマーカーを使うよ。射程はとてつもなく短いが、圧倒的な機動力を駆使して戦いたいんだよね」
「おお………応援してます!」
「ありがとう。アハハ」
「すみませーーん!その、旨井造さん!」
突然、旨井造に向かって誰かが叫んだ。
「き、君は、
「その、ずっとあなたがスプラトゥーンで無双するところを見たかったんです………。
なので、その、あの、スプラしてるところ、見せてくれませんか⁉︎」
「何贅沢言っているんだ!」
取り巻きが彼女を怒鳴る。しかし、旨井造は優しい顔でこう言った。
「いいよ」
「え⁉︎」
「正気ですか旨井造さん!プレイに支障が出るかもしれませんよ⁉︎」
「大丈夫だよ。君らも見たいんだろう?よろしい。今日の午後、僕ん家来なよ。見せてあげるさ」
「え⁉︎⁉︎⁉︎」
「こりゃスクープだぞ!」
「カメラはどこだ!カメラを持ってこい!」
旨井造が部田子に耳打ちする。
「楽しみにしててね」
「あ、ありがとう………」
旨井造は校舎を出ると、校舎裏に向かった。
「………待たせたな。少し遅れた。今回も頼むよ。はい、約束のぶつ」
「へへへ、いつもより多いですね。今回もバンガラマッチですか?」
旨井造が声を出すと、倉庫の影から黒いパーカーを着た男が現れた。
「今回はボールドマーカーで無双したいんだ。よろしくね」
「おやすいごようですよww……しかし旦那も、スプラトゥーンのためだけに、こんなに大金出しちゃって、良いんすか?」
「小学生の間ではスプラトゥーンはステータスなんだよ。ほら、足が速い人がよくモテるのと一緒」
「確かにそうかもしれませんね…。ま、私は旦那が金さえ出してくれれば、どこまででもついて行きますよwwwww」
旨井造とパーカーの男は笑い合った。
しかし、彼は、とんでもねぇ約束をしてしまったのだ。
彼自身、そこまでスプラは上手くない。
しかしX帯に行けたのは、
学校の皆んなは彼の活躍を楽しみにしているわけである。
あんだけ笑っていた旨井造は、今、めちゃくちゃ焦っていた。
彼の本当の強さはS帯。S+の次に強いクラスである。
ゲーム内の実力はX帯。本当の実力はS帯。
もちろん試合のマッチングは、同レベルのX帯のプレイヤーである。
XとS+は天と地ほどの差があり、S+が3人がかりでX1人を攻撃しても、負ける可能性があるほどである。
そんなS+よりも弱いS帯の彼が、X帯だらけの試合で活躍するどころか、まず十分に行動できるのかどうか疑問である。
「(ヤバい……、家帰ったら、練習しなきゃ。しかもなんかめっちゃ期待されてるしさ………。こりゃヤバいな……)」
旨井造は家に帰るとすぐにSwitchを用意し、スプラトゥーン3を起動した。
そして、3時間後………。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!もう!勝てない!!!!!!!!!!!!ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ。
なぜだ!なぜ勝てない!
ボールドマーカー射程短すぎんだよぁぁもう!」
射程が長いほど強い。スプラトゥーンとはそんなものである。
短射程は射程が短い代わりに機動力がえげつないが、長射程に狙撃されたら無意味。
圧倒的に理不尽。しかも長射程に限って攻撃力が高いため、常に一撃必殺の攻撃が遠くから飛んでくるわけである。
「チクショッ!ああもう勝てねぇ!なんで!なんでよ!あのパーカー野郎強すぎだろ」
彼が勝てないのは不慣れなボールドマーカーを使っていることと、敵が単純に強すぎること。
そして、ある強敵がいること。
その名はまめでんきゅう−ねこ。
あ、作者のことじゃないですよ。僕のペットですw。
ちなみに作者はC帯(最弱クラス)。弟に負けています。
んで、旨井造はついさっきから、まめでんきゅう−ねこにやられまくっていた。
「何このまめでんきゅう−ねこって奴!ヤバすぎだろ!なんなんマジで!しかもこいつ、俺と同じチームになった時に限って弱いしさ〜。なんなん?ふざけてんの?」
やられては名前を確認する。そのたびに彼は絶叫する。
毎回毎回まめでんきゅう−ねこの名前が出てくる。
「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァもうやだァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
旨井造の周りに炎が現れた。
「力よ、解き放て!憎き敵まめでんきゅう−ねこを倒すぞ!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
その頃まめでんきゅう−ねこは、テレビの前でスプラトゥーン3をしていた。
「ああ、負けちゃったよ。まぁ次も頑張ろう」
「おいテメェか!まめでんきゅう−ねこ!」
旨井造が天井を突き破って落ちてきた。
「ええ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」
「俺はお前を○しに来た!」
「なんで⁉︎」
「お前、スプラでカーボンローラー使ってるだろ」
「そ、そうだよ?……なんでわかるの⁉︎」
「お前とずっとマッチングしてるんだよ!」
「もしかしてこのフライパンマンって人、君⁉︎」
「そうだよ!」
「ネーミングセンスもうちょっと頑張った方が良いと思うよ」
「ざけんなテメェよりかは全然良いだろ!」
「僕のこれ本名なんですけど⁉︎」
「おいお前、なんでそんなに俺をボコボコにしたいんだ」
「え?……ああ、そういやずっと同じ人倒してるような気がしてたけど………」
「お前のせいでプライドと精神がボコボコだ!」
「でも僕だって勝ちたいんだもん。……君もでしょ?」
「………いや、まあ、そりゃそうだけど、でも、他にも敵いるだろ⁉︎4対4だろ!なんで俺ばかり……」
「いや、ちゃんと1人につき20回倒してるよ」
「ハァァァァァァァァ????」
「おーーーーーい、まめでんきゅう−ねこ!そろそろ料理企画するぞ〜!」
デメニギスが奥の部屋から呼びかけた。
「ちょっと待ってて!……つーわけで、まぁ、こういう喧嘩は収録した後ね」
「ダメだ!!!!!!!!!!」
「えぇ………」
「俺はお前に復讐しなきゃ気がすまない!…………おい、俺がお前のプレイを見る!」
「え?」
「簡単な話だ。お前はスプラする!俺はそれを見る!いーじょう!」
「なんでよ………」
「いいから早く!」
「わかったわかった」
「ちなみに、もし試合で負けたら、主役交代な」
「えぇ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」
「そりゃそうだ。スプラ弱いくせに主役してんじゃねぇよボケ!」
「え、君、作者のペットになるの⁉︎」
「そーゆー問題じゃねぇよ!お前、自主企画の説明してるんだろ?それを俺がやるってことだ!」
「マジ?ありがとう」
「本格的に交代しても良いんじゃねこいつ」
「ああそうだ、自主企画には初心者さんもいるから、迷惑かけないようにね」
「テメェよりもずっと昇進できそうだよ」
「え、僕そんな迷惑かけてる?」
「逆に迷惑以外かけてないだろ!」
「なんかデメニギスみたいだね」
「俺はツッコミのつもりで怒鳴ってるわけじゃねぇ!」
「あの、もうこの話だけで4000文字超えてるんだけど」
「あ……………………………」
「……………前編と後編に分ける?」
「…………しゃあねぇな。チクショッ!」
「じゃあ、今回は料理どころかゲームしかしてないけど、まぁ、許してね」
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