第2話 ハッキングしながらクッキングする猛者(ポトフ)
「まめでんきゅう−ねこの〜〜3分ハッキング〜〜〜〜!」
「は?」
「てれてってーてれてー、てれてってーてれてー、てれてれてれてれてれってって!
まず、管理用パスワードを奪取しましょう」
「は??」
「まずは、よく使われがちなパスワードを順番に試します。
頻出の10,000パターンぐらいだったらそのへんのサイトに落ちているので、これで当たってしまうようだと完全にアウトです。
もしターゲットが知人や有名人だったら、特定のキーワードを組み合わせてパスワードを作ります。
その人の名前、誕生日、好きなものとか。それでも当たらなかったら、地道に総当たりします」
「は???」
「サイトの脆弱性を攻撃するのもありです。
脆弱性はプログラムの設計ミスで生じる『サイトの弱点』です。
この脆弱性を完全になくすことは、非常に難しいです。
アプリやサイトではなく、ブラウザやOS自体に脆弱性が見つかることもあるので。脆弱性を突かれて、サイトを改ざんされたり、マルウェアを仕込まれたりします」
「は??????(聞き取れないくらい低い声)」
「まぁそう怒らないでwww」
「料理企画でハッキングするな!」
「ああ、皆さんお電気ですか?まめでんきゅう−ねこですwww」
「何笑ってるんだよ!」
「そして、この文句しか言わない深海魚がデメニギスですwww」
「ツッコミに親でも殺されたか?」
「まず僕の親いない」
「なんかすまんな」
「ハッキングしてるからちょっと黙ってて」
「前言撤回」
「今回のゲストはこいつです!メロンパン!」
「どうも〜!メロンパンでーす!」
「料理される側だろどう見ても」
「失礼な!メロンパンはハッキングが得意なんだよ!」
「マジ?」
「そうだ。ハッキングして、俺を食べようとした人間どもを絶滅させるんだ!」
「絶対ハッキングされる側だろ。ってか手が無い時点で無理だろ」
「やればできる!」
「脳みそハッキングされてるんじゃね?」
「あの、私1人で止めるの難しいんですから、デメニギスさんも乗らないでくださいよ」
「幽霊悪かったって。さぁ本日の料理はなんだ?」
「マルウェアだよ」
「マルウェア?どういう料理なんだそれは」
「マルウェアは悪意のあるプログラムのことなんだけど」
「その話一旦ブラウザバックしろ」
「その前に読者様方がブラウザバックしてます」
「ちょ待て、もう少し我慢してくれ!」
「君の過去をブラウザバックする方法教えてあげるよ」
「上手いこと言ってるかと思いきやめっちゃクズじゃねぇか!」
【ブラウザバック】…見なかったことにすること。
「本日の料理はポトフです」
「ほう、2回目の企画で作れるのかそんなもの」
「やればできる」
「やるまでが長すぎ」
「おいハッキングの話しようぜ」
「食物連鎖の最下位は黙ってろ」
「え????????????????????????」
「魚とかいう食物連鎖の最下位が言うことじゃないよね⁉︎」
「いや、深海魚はマジでなんだって食うからな。餌が少ないからいつありつけるか分からんし」
「陸上に上がってきた深海魚さんじゃ説得力ないね」
「テメェの人生深海にすっぞ」
「喧嘩しないでくださいよ。クッキングじゃなくてファイトじゃないですか!
え、私今めっちゃ面白いこと言いませんでしたか⁉︎」
「全員手遅れだわここ」
「ってかサザエさん観たいんだけど」
「録画してやっからはよ作れ」
「メロンパンにハッキングして放送時刻変えてもらお」
「テレビ局ハッキングするな」
「よしできた〜」
「ハッカーがこんな幼稚じゃこの国終わるぞ」
「まぁ僕ら人間じゃないし」
「人間じゃない奴がハッキングしてるだけでもう鳥肌が止まらない」
「君魚」
「鳥肌は鳥の専売特許じゃねぇよ」
「そろそろ真面目にやりましょうよ」
「だってよデメニギス」
「海底に沈めてやるぞ」
「おいクッキングしろよ。俺今ハッキングしてるからさ」
「じゃあジャガイモをパッと水洗いして〜」
「めっちゃいきなり始まったな」
「ピーラーで皮を剥いでいくよ」
「ジャガイモって確か毒あるよな」
「そうそう。結構危ない毒だからハッキングされないように気をつけてね」
「伏線回収かよ」
「ジャガイモの芽にはソラニンという天然の毒が入っています」
「そうそう空島」
「ワンピースじゃねぇから」
「僕は毒無効だけど、皆んなのために念入りに取るよ。
あれ皆んな毒大丈夫じゃね?」
「え?」
「デメニギスも幽霊もメロンパンも毒大丈夫でしょ?」
「「まぁ確かに」」
「俺はぁ、クラゲが主食だが、ジャガイモは分からんよ」
「じゃあやっぱやらなくて良いよ!」
「読者様は人間だからね?」
「次は包丁でジャガイモ切るけど、ポトフだから決まった切り方は無いね」
「食べやすいサイズに切れば良いんですね」
「とりあえず適当に慎重に切って。
切ったジャガイモは水に晒しておいてね」
「これの意味はなんだ?」
「知らない」
「もう少し知らないでやることに
「次に
皮はあんま切らない方が良いっぽい」
「皮の近くに栄養とかがたくさんあるんだっけ」
「人参を適当に慎重に輪切りにしていくよ」
「そういや人参って人によって好き嫌い分かれるよな」
「メロンパンは人参と僕どっちが好き?」
「人参」
「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
「うっせぇうっせぇうっせぇわ」
「そして水の中に監禁してたジャガイモの水分を拭いて下準備は完了!
続いて白菜を切っていくよ。
白菜は特に語るところないのでカット」
「物理的にも絵面的にもカットされる白菜さん」
「お次はブロッコリー!小さいのを使ってね」
「鍋の中入るか不安になってきたからだろ?」
「正解。冷凍の奴使っちゃうよ。
レンジでチンしてね。60秒くらいでいいかな」
「ブロッコリーは個人的に冷凍のをよく見る印象だな」
「今度は玉ねぎを切るよ。
半分にして、その後4等分の花嫁にするよ」
「4等分に切るってことでいいか?」
「いや、4等分の花嫁にするよ」
「4等分に切るんだな?」
「はい」
「まめでんきゅう−ねこさん、わかりにくい表現はやめておいた方がいいですよ」
「お次はベーコンのブロックのお時間でーす」
「ベーコン常連にするつもりか?」
「いや別に」
「わかりにくいんだよ言い回しが」
「ベーコンは好きに切っていいけど、僕は野菜多めがいいので少なめで切るからね」
「さぁ野菜の準備完了!」
「これを鍋に入れていくわけか」
「鍋に水をだいたい800ml入れたら沸騰させるよ。
沸騰してきたら野菜入れて大丈夫だと思う」
「一気に今ので不安になってきた」
「火傷しないよう適当に慎重にジャガイモ→人参→玉ねぎ→白菜を入れてね。
確か根菜から入れるんだよね?」
「見本のお前が言うな」
「鍋ん
「10分間何するんだ?」
「洗い物してね!」
「じゃあしようぜ」
「いや僕ハッキングするからさ」
「人に任せるな」
「メロンパンハッキングできた?」
「もう少しでできそう」
【10分】…中途半端な時間。
「蓋を開けたらブロッコリーとベーコン全部ぶち込むよ」
「めっちゃ野菜たっぷりだな」
「でもここにいるのは猫とデメニギスと幽霊とメロンパン。
野菜が主食の人誰もいないんだよね」
「悲しすぎるだろ」
「ソルトとペッパーとコンソメをぶち込んで、5分間また蓋閉めて放置少女するよ」
「またハッキングするのか?」
「いやもう5分経ったものがこちらにありますwww」
「キューピーでよく見るやつ」
「さぁこれで完成だね!
よし、ハッキング終わった?」
「終わったぞ!」
「いやぁ、これでサザエさん観れるね」
「幼稚ってほんと怖い」
「それじゃあ、放送時刻を自分たちで変えたサザエさんを、自分で作ったポトフ食べながら観ようか」
「意地でも自分が関わったと言いたいんだな」
「まさか俺が食べる側になるとは全く思わなかった」
「それだけ聞くとめちゃくちゃ勘違いされそうだな」
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