第14話 火起こし

ケルブの腕からもステータスが得られる

名 前 ケルブ

年 齢  152

レベル 97

属 性  闇

職 業  医者

HP 435

MP 456

STR 252

VIT 202

DEX 192

INT 271

AGI 210

LUK 19

MND 5

腕に本体と繋がりがあってこの場所を特定されそうなので、処分を考えるけれど、今は埋めるしか方法はない。

倒すまではいかなくても、戦うにはこれくらいの強さを目標にする。


腕ごと奪い取った指輪は

MP回復の指輪

 回復量 所有者MP*5

 280/2280

 INT+1 MND+1


少しでも能力の底上げが必要なので、使うことにした。指輪を外そうとすると指ごともげた。寒気が走る。


使うと呪われそうな気もするが、川で肉片を洗い流してから装備する。


回復量の表示が280/2280から、95/95に変わる。


あれから川沿いを歩き、高さ10mくらいの中央にくぼみのある岩山を見つけ、仮の休憩所とした。


リオはまだ起きないので、岩山の周りの草を引きちぎってクッションと枕を作って、横にする。


(これで飲み水は大丈夫)

(食べ物と、屋根になるものと、火が最低必要だな)


と言っても、まだ4歳の子供の体、魔法が使えるようになっても出来ることは限られてくる。


(そういえば、空間魔法をコピーしても、土魔法が消えなかった、コピーしたスキルのレベルを上げると、習得したことになるのか?)


(空間魔法もレベル2になったし、近くの魔物から何か都合のいいスキルをもらえないかな?)


レベルを上げるとスキルが消えないと断言はできない、しかも、新しく覚えた空間魔法は便利そうで、スキルが消えたら、泣くかもしれない。


スキルの仕組みも空間魔法の使い方も後戻りできないまま手探り状態だけど、背に腹は変えられない。


魔物がスキルを持ってない可能性は無視して

都合のいいスキルを探しに岩山の頂上から、周囲を【表示】する。


カエル【水鉄砲】【ジャンプ】

蝶【吸血】【飛行】

蛾【鱗粉】【飛行】

ウサギ【角】【逃走】

スライム【吸収】【溶解】


見渡すと5種類の魔物がいる。

カエルの水鉄砲から始めてみる。

【水鉄砲 Lv1をコピーしました】

心配していた【空間魔法】は残っている。しかし、水鉄砲のスキル表示は灰色で、これは使える気がしない。もし使えても、口から、水を飛ばす攻撃を使いたいとも思わない。


次の【ジャンプ】の表示は通常で使えそうだ。スキルを付けると先ほどの【水鉄砲】が消えている。


これで使えない灰色のスキルがスキル欄を埋め尽くす心配は不要になったので、スキルを次々コピーしていく。


【ジャンプ】と【逃走】が使用可能だった。

ひそかに【飛行】で飛んでみたいと願うものの灰色表示だった。


スキルを発動する器官や体の一部が無いとスキルは使えないらしい。


羽根が無いと飛べないし、角が無いと角で突けない、スライムの吸収や溶解などは、対象を体に取り込む必要があるので、ウサギの骨とか体に入れて吸収したり溶解する姿を想像したくない。


たくさんスキルをゲットしてステータス強化!なんて、この世界はそこまで優しくない。


とりあえず【逃走】をセットし、岩山から降りて移動を始める。


リオはまだ眠っている、大丈夫だろうか?

額に手を当てるも熱はない、息も荒くない。

心配だけど、暗くなる前に火が起こせるようにならないと


少し離れた岩山にトカゲを見つけた。

火トカゲ【火炎弾】【しっぽ切り】

岩トカゲ【岩石弾】【しっぽ切り】


ようやく火を扱うスキルが見つかった。

【火炎弾】をコピーしてみる。


体内に火袋なんて器官は無いし、使える筈もなかった。


離れすぎると、リオが心配なので、いったん戻って、【逃走】のスキルを覚え直す。


リオの様子をみてから、火トカゲの元に戻る。


少し離れたところに燃えやすいものを集めて、火トカゲに火をつけてもらう作戦だ。


レベル12の火トカゲから、攻撃されるとただでは済まないだろう。だけど、攻撃してもらわないと、火種が入らない。


【逃走】スキルの力を信じて、群れから離れた一匹の火トカゲに土の塊をぶつける。


その火トカゲの表示だけが青から黄色に変わる。火トカゲがこっちを向いて走り出した。

想像よりも火トカゲは大きく、2m以上の体を素早く走らせ叫びながら、噛みつきに来る。


怖さで反応が遅れて、転がりながら避けるしかなかった。嚙みつき攻撃を避けていると、叫び声に反応して岩山のトカゲが黄色になっている。


5匹の黄色表示のうち、2匹が赤くなり、こっちに向かってくる。


こっちに向かう2匹が【火炎弾】を打った。

【火炎弾】の一つが用意した薪に着弾したの確認し、【逃走】した。


火トカゲが青表示になるのを確認して、燃えている枝の束を持ち帰る。


(この火が消えないように燃えるものを集めないと…)


4歳の子供の体力の限界は既に超えていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る