第3話 目覚める

目覚めると、小さな部屋の中で寝かされていた。


首が動かないので視線だけで見渡してみる。


視界の中の下の方に何かの印や線が半透明で見える。視線を移しても、模様は視界の同じ位置に固定されている。


(なんだこれ?)


模様のひとつ、道具袋のようなマークに意識を向けると、視界の右側に所持品と書かれた枠が表示される。思う事で模様を操作できるみたいだ。


体のマークを見ると、ステータスと書かれた枠に名前、年齢、レベルなどが表示されている。


(どうやら自分の情報と所持品みたいだな)(当然所持品は無しか)


火のマークはスキル欄らしい。

そこに【VR表示 Lv1】【エディット Lv1】と書かれたスキルがあった。


(VRって、バーチャルリアリティだっけ、エディットは編集?)


記憶はないけど、知識はあるようで、記憶が抜けているせいか、赤ん坊の体のせいか、見たものや考えが途切れないようには知識が湧いてくる、でもそれ以外を思い出そうとすると上手くいかない。


部屋の扉に意識を向けると、【扉】と書かれた枠が出た。


他の家具や装飾に意識を向けるとそれぞれ説明枠が出てきた。

表示を残したままにも出来るし、一つだけ消すこともできる。

表示自体を消すこともできた。


(地図のマークはマップ表示だろう)


そう思い地図を開くと、ほとんどが黒く塗りつぶされており、川らしき地形の途中から、今居る所までが一筆書きのように表示されている。


その一筆書きが大きくなったり小さくなったり、回転することから、拡大・縮小・回転したのが分かる。

地図はオートマッピングになっているようだ。


メモのマークを開くと

【VR表示スキル Lv1を修得しました】

【エディットスキル Lv1を修得しました】

スキルの修得のログだろうか?


その時、部屋の扉が開いた。

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