第2話 捨てられる

箱の揺れや水の音からすると、川に捨てられたみたいだ。


時折、石に当たって、箱が激しく動く。

ここまで来ても冷静なのは、この体が恐怖を知らないからなのか?


この先どうなるのか分からないのに、何とかなるという気持ちの余裕がある。

箱は頑丈で、大きな石に当たっても内部に水が入ってくることもなかった。


色々考えてみる

何かに「外れ」たから、捨てられた?

属性が無いから、「外れ」なんだろうか?

属性というものがあれば捨てられなかったんだろうか?


属性ってなんだ?


今の状況、自分の事、この体の事、色々考えてみるけど、分からないことは分からないから、考えるのを止めた。


川を流れる箱の揺れが気持ちよく、だんだん眠くなってきた。意識が途切れる中で、声が聞こえた。


「ごめんなさいね、今はこれしか…」


その声は暗い箱の中で、暖かく、眩しかった。

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