第25話 エウリカの見た未来
エウリカは、目を疑った。
ドーリアが……アスタナシヤが攻め落とされる……
そんな光景が浮かんできてしまった。
何時だ!?
何処の国!?
この事は、神殿側に伝えるべきなの……
エウリカは、珍しく混乱した。
50枚のカードで見ても、同じ結果である。
予見のためにと、部屋に籠って丸三日以上も出て来なければ、さすがの三賢人もロイル家の次期当主たる若長も心配して、エウリカの部屋の前に集って来た。
「ドーリアの姫、悪い予兆でもありましたか!?」
「エウリカ姫!!ドアを開けますよ!!」
扉の向こうでじいさん達と、若長の声が響いた。
ダッドリー若長が、心配そうに大声で叫んでエウリカの返事も待たずに部屋へ入って来たのだった。
「ドーリアの姫、顔色が悪いですよ。」
「ドーリアが……わたくしの故郷が攻め込まれます……
でも、わたくしには、それが何時の事なのか、何処の国に責められるのかは分かりません。役立たずですわ!!」
「落ち着いて!!姫はっけして役立たずなどではありません!!
敵は国旗が視えることがあれば、分かるでしょう。
こういう事の時期の特定は難しいですね。
お父様に、お手紙を書いてそれとなく注意を促してはどうでしょう。
悪戯に、不安を煽るのも良くないと思いますよ」
ダッドリーの言葉に、エウリカは、救われる思いだった。
三賢人たちは、エウリカにこれを口止めをして、父王に注意の手紙を書くだけに留めて、神殿の最高機密にした。
以後、神殿は各国に対して、見張りの魔法使いを送って、動向を厳しく監視していくことになる。
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