第24話  銀の森のエウリカ・マ-ロウ

 ある晴れた日に、この世界の聖地である銀の森に美少女が降りたった。

 彼女は、魔法陣で光の神殿に現れ、出迎えに来ていた、三賢人の一人に手を取られ、魔法陣から出て来た。


「ようこそ、ドーリアの姫。エウリカ姫でしたかな」


「ご挨拶申し上げます。銀の森の三賢人様、ドーリアのエウリカに御座います」


 ドーリアの姫は、西方のドレスを身にまとい、膝を折って挨拶をした。


 神殿のトップの三賢人は、微笑ましくドーリアの姫を見た。


「早速、占って欲しいことが、山済みなのがね」


「わたくしなどの先読みで、全てを信じられても困ります。占いは、あくまで、指針となるべきものです。また、100%当たるものではございません」


「とんだ、謙遜だ。占者とドーリア王家の血を引くというではないか!!

 期待をしているぞ。エウリカ姫」


 こんな期待をされるとは……思った以上であった。

 エウリカは、大きく息をついた。


「君が、新しく来たというドーリアの先読みの姫!?」


 三賢人の後ろから、いたずらっ子のようにジャンプして、こちらを

 覗う銀髪の少年がいた。


 軽やかに跳ねている。

 人間の力だけではなさそうだ。

 エウリカは思った。


 不思議な所へ来てしまったかもしれない……



 ♦



「僕、ロイル家のダッドリー・エル・ロイル。君の許婚だってさ」


「な?」


 ここまで、話が進んでいたというのか!?


「聞いてませんわ。それに、わたくしは庶民の生まれですわ。」


「うん、だからね。近親婚ばかりして、家の直系の血がヤバいらしいんだ。だから今回は、君の能力を高く評価されててね。

 実際に僕の兄は残念な結果で生まれてきて、長生きできなかったんだ」


「わたくしは、神殿に仕えるために来たのです。結婚をするために来たのではありませんわ」


 エウリカは、ダッドリーに強めに言った。


「僕は、まだ18歳です。焦ってはいません。あなたのお仕事の邪魔をする気もありません」


 エウリカは、ダッドリーの銀色の瞳に見つめられてドキリとした。

 彼は、18歳という年齢に似合わない、体型であった。

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