第17話  結婚の条件

「ユージィン王子、この状況を説明してくれますかな?」


 当たり前である。

 カットラ-・オアシスの族長の娘に同席してみれば、あちらは王子の方には、他に良く似た美女が二人同席していたのである。

 顔立ちが良く似ていたから、姉妹に違いないが、明らかに見覚えがあった。

 数週間前に、妻の紛失した腕輪の行方を占ってもらった裏路地の占い師ではないか!!


 族長のディタスは、出来るだけ平成を装おって、ユージィンに説明を求めた。


「……あの」


「王子様は、何もおっしゃらずに!!」


 ロウィーナがユージィンの言葉を止めた。


「私は、王子の依頼でカミラ様との相性を見るためにここにおります。

 こちらは、妹のロジーナと言います。どうやら、ユージィン王子の恋人のようですわ」


 ロウィーナは、感情のこもってない喋り方で話した。


「そんな!!有り得ないわ!!」


 カミラ姫が、泣きじゃくり始めた。


「でも、お父様には、ご側室がいらっしゃるのに……王子様に我慢をさせるというのは筋違いと言うものでしょう?」


「ううむぅ……」


 ロウィーナは、口の端だけで笑って言った。

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