第15話 見合い席
ユージィン王子とカットラ-、オアシス族長の姫、カミラとはカットラ-・オアシスが持っている鉱山で採掘する利権を国王に何割か渡して、その代わりに姫を王子に娶らせるという裏事情が満載の政略結婚であった。
もちろん、王は王子が嫌がっていることを知っていたし、王子にもその気はない。
喜んでいるのは、カットラ-、オアシスの族長と娘のカミラだけだった。
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見合いの日__
ユージィン王子は、ロジーナを伴って、貴賓室に出向いた。
ロジーナは、今までで一番綺麗なドレスを着てルンルンである。
「ユージィン・マーロウです。こちらは、恋人のロウィーナです」
意気揚々と、ユージィンはロジーナを紹介した。
ところが、変な答えが帰ってきた。
「おかしいですわね。ロウィーナ・ダインは、私の名前ですが?」
ユージィンは、ビックリしてロジーナを見た。
「えぇ!?ロウィーナ!!君は誰!?」
「見栄っ張りで、派手好きな妹のロジーナですわ。ここ数日、妹がすっかりお世話になりまして」
ロウィーナは立ち上がって、ロジーナの手を引いて部屋を出ていこうとした。
「待って!!下さい。姉上ですね」
「関係ありませんわ。あなたは、今日見合いの日なのでしょう?
邪魔物は帰りますから、王子の務めを果たしてください。
一国の王子が見合いを嫌がって逃げ出すなど、恥ずかしいことをなさらないで」
ロウィーナは、淡々と言った。
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