第14話  んっ!?

「良いアイデアだ!!早速アスタナシヤに戻るんだ!!」


 ユージィンは、ルイスに命じて馬を用意させて、王都に戻って行った。

 王城に連れて行かれたロジーナは、満足であった。


 水源の安定している、緑豊かで大きなオアシスのアスタナヤは海にも隣接していた。後に大国のヴィスティンに併合されることになるが、それは、まだ先のことである。


 ロジーナは、たっぷりの水で、沐浴して髪も洗い、ドレスも整えてもらっていた。

 ユージィン王子付きの侍女には、王子の恋人だと紹介されたので、丁重に持て成されているのだ。


 ドレープのタップリしたドレスは、ロジーナの虚栄心をくすぐった。


《こんなドレス、着てみたかったのよね~~似合うわ~あたし!!》


 鏡の前で、ドレスの裾を広げたり、クルクル回ったりして楽しんでいた。


「やぁ、どう!?さすがに似合うね。カットラーの姫なんて霞むよ」


 ユージィン王子が、ロジーナを見て感嘆した。


「母さんは、アスタナシヤじゃ有名の美人ですもの。

 確か、王様の恋人だったこともあったはずよ」


「えっ!?」


 ユージィン王子は、ビックリした。


「ロウィーナ?君のお父さんは!?」


「鉱石の細工職人よ。どうしたの!?」


「あ、そう。そうなんだ。まさかね」


 ユージィンは、ホッとした。

 もしかしたら、姉をここに連れて来てしまったのかと思ったのだ。

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