第6話 オアシスへGO
「じゃあさ、水晶玉を探しに行こうか?」
ユージィンが急に話を持ち掛けてきた。
「え!?」
ロジーナは、ユージィンを舐めまわす様に見たが、金の髪と、茶水晶の瞳が印象的なくらいで、後は人好きのする顔をしてるくらいだ。
身なりが良いとはいえなかった。
それに、ロジーナの所望した水晶玉は、高級品で庶民の手になぞ、まず入らなかった。
家にあった、祖母の水晶玉も高価だったに違いない。
父が酒代にと祖母の水晶を持って行こうとした時、それだけは駄目と父に初めて抵抗した。でも結果、水晶玉は床に落ちて砕けた。
それで目が覚めたのか父は、治療院に入ってアルコール依存症を治そうとしている。
それを思うとロジーナは、ユージィンに違和感を感じた。
「あなた、誰?」
「僕は、ジィン・ロゥだよ。嘘は言ってないよ。大丈夫、カットラー・オアシスに
ヒョイとズボンのポケットから、最高金貨を10枚ほど出した。
「馬鹿!!こんな大通りで見せるんじゃないの!!泥棒に狙われるよ」
「大丈夫!!僕は、こんな所では死なないはずだからね」
「予見でもされてるの?」
「うん、だって僕は、この国の……」
ユージィンは、ハッと我に返った。喋り過ぎだな……
「父の遺した遺産だよ。パーッと使いたくてね。」
「なら、良いけど。」
「砂漠の旅は、夜に厚着でが鉄則!!準備をしようぜ」
ユージィン王子は、ロジーナの手を引っ張って、市街地の方へ消えていった。
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