第26話 準備期間中編
学校を抜け出して先輩とサイゼリヤでご飯を食べて帰る。ちなみにそのサイゼリヤは僕が働いているアルバイト場所だ。はる姉はこの時間は真面目に学校で準備をしているから居ないだろう。
「こら、
「買い出し行ってまーした」
一応の彼女は堂々と嘘をつく。僕もクラスに戻る。
「あきくん、今日どこ行ってたの?」
「腹痛でね。トイレに行ってた」
「嘘はよくないよ‥‥‥あきくん。あきくんの口からミラノ風ドリアと女の匂いがするよ」
「今日の昼ごはんUber eatsでミラノ風ドリア頼んだからかも。そのときの店員さんが女の人だったかな」
気の利かした冗談を行ったつもりだ。笑ってくれない。
「ジョーク言ってないで、そんなことを言うあきくんにはキスをしよう」
それは、おかしい。
「ごめん、彼女いるから」
「それも冗談でしょ?」
冗談では‥‥‥ない。数十分前にできたのだ。利害関係だけの彼氏彼女。
無言で首を横に振るう。
「え?」
「ん?」
「夏休みキスをしたのに?私には何もなし?」
「夏休みキスをされたけど何もなし」
二宮さんのなにかがプツンとキレる音が聞こえた。
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