第18話 狂気再び

「まとめて退場ゲートに放り込んでやるよ」

「こいつッ。。。!」


幸と弁平は静かに戦闘態勢に入る。

(木沢はまだ回復しきってない、仕方ねえ)


先に仕掛けたのは弁平だった。


落杭らっくい!」

無数の巨大な杭が降り注ぐがそんなものには目もくれず幸はまっすぐに弁平の元に

向かう。


「少しは手加減してほしいね!」

「そっちだってしなかっただろうが」


「おらよっ」

「ぐふっ」


幸は木刀を弁平の顎に向けて勢いよく振り上げ、それを食らった弁平は地面に

倒れる。


「うっこれは。。。。」

「なんかの本で読んだことがあるんだよ、顎に強い衝撃を当てると脳震盪を起こす

ってな」


「んでもって熱中症もあるんじゃ、異能をコントロールするのはもちろん立ち上がることすらままならない」


「そんなのっ、関係ない!」弁平は立ち上がろうとするが、幸の蹴りを食らって再び地面に倒れる。


「ぐはっ」

「動くなよ、退場ゲートまで連れてくからよ」


「くっ!」

弁平は幸を睨みつける。

「お〜怖い怖い」「俺を。。。。。。」木沢が一気に幸と距離を詰める。


「忘れてんじゃねー!!!」

木沢の拳が幸の後頭部に直撃する。


「いって!?」

「。。。。。。は?」木沢は幸の耐久力の高さに驚いていた。


「おいおい現状で最高硬度にしたんだぞ!いってで済む訳ねえだろ!」

「あっそ」幸は木沢の顔面に向けて木刀を振り下ろす。


「このっ」

木沢は腕で木刀を受けることでダメージを軽減した。


「おらよっ」

「がはっ!」

が幸はすぐに木沢の腹を蹴ることでダメージを与えた。


「あらら、気絶しちゃった。ま、いっか」

そして幸はくるりと弁平の方に振り返る。


「吹っ飛べ!!」

弁平は一か八か杭を使って攻撃する。


「んなもん当たらねーよ」

だが幸は容易くそれを躱して弁平の腹に蹴りを入れる。

「がはっ!」


そのまま弁平は気絶した。

「んじゃまとっとと退場ゲートまで行くか」


幸は二人を背負って退場ゲートまで直行した。


♦︎♢♦︎♢♦︎


二人を退場ゲートに放り込み、幸は手をパンパンと叩きながら栄の元に向かおうと

していた。


「無事でいてくれよ、栄」

そして幸が走り出そうとした瞬間、茂みからガサガサという音がした。


「誰だ!」

幸が振り向くとそこには栄の姿があった。


「あれ、幸君!?」

「なんだ栄か。。。。。。。。」


「って千里眼使いはどうしたんだよ?」

「ちゃんと倒してきたから大丈夫だよ!」

「ならよかった」


二人は少し雑談をしながらその場を後にした。


「ん?」

「え?」


数分後、二人は二人組のマッチョ達と遭遇する。「てめえら、逃走者だな?」


「えーっと。。。。。。。」

「問答無用!引っ捕らえてやらあ!」

「栄、全力ダッシュだー!」

「ひいい!」


「まてこらああ!!!!」その後、撒くのに20分かかった。



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