第16話 栄の敗北
「がは!」
「拍子抜けだな、おまえが苦戦しているというからどれほどかと来てみれば……さてはお前わざと苦戦したな?」
「バレた?」
(こいつら……!)
弁平が到着してから、栄は千里眼使いである強兵の元へ向かっていた。理由は二つ、一つは栄の砂操作なら幸より千里眼を封じやすいから。
そしてもう一つは、栄なら強兵の元に辿り着けるから。実は栄には
「急げよ栄、長くは持たねえぞ!」
幸は静かに木刀を構え、再び立ち上がった。
♦︎♢♦︎♢♦︎
「はあ、はあ」
栄は森の中を全力疾走していた。
「急がないと!」
栄も分かっていた、幸は長く足止めできないということを。」ただでさえ鬼側を減らす作業で疲弊していたところに敵の襲撃、あまり時間はない。
「あちょ〜!」
突然左からチョップを食らい、栄は吹っ飛んでしまう
「ぐはっ!」
「油断は禁物ですよ」
「くっ。。。。。。」
そこにいたのは、角刈りの濃い青髪にぴっちぴちの白Tシャツを着た筋骨悠々の糸目の男だった。
「まさかそっちから出向いてくれるとはね、千里眼使い」
「不意打ちを成功させる為にね。それと私は強兵だ」
「そんじゃとりあえずやられてくれない?」
「やだね」
男は一気に距離を詰める。
(見た感じはゴリゴリの近接タイプ、なら!)
「砂渦!」
すると強兵の真下に砂の渦が出現し縦に伸び強兵を吹き飛ばす。
「いきなりですね〜」
「ん?」
「
今度は渦の中から三日月形をした砂が高速で飛ぶ。
「ぐふっ」
強兵は避けようとしたが全ては避けれず一つを足に食らってしまう。
「っち!」
(どういうことだ?攻撃してこない?)栄は考えていた。(
まさか千里眼以外に異能がないのか?それとも範囲が狭い異能か。。。。。。)
「それなら!」
「
再び砂の斬撃が強兵を襲う。
「さっきは三つだったけど今度は五つだ!避けられるかな?!」
「舐めないでいただきたい」
すると強兵は防御もせずにまっすぐ突っ込んだ。
「なっ!」
「この程度の攻撃、防御しなくても問題ないんですよ」
「
すると上から無数の砂の斬撃が強兵に向かって降った。
「これは。。。。。。!!」
「
そして斬撃の雨の中、まっすぐに砂の渦が迫る。
「これは。。。。。。わたしの耐久力が試されそうですね」
ドゴオオン!っという音と共に強兵は吹き飛ばされた。
「やったか?」
「それはね、フラグってやつですよ」
背後からの声に栄が振り返る前に力強いパンチが繰り出された。
「がはっ!」
栄はそれを腹に受け気絶してしまう。「さて、弁平たちの所にでもいきますかね」
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