第13話 リタイア条件
「馬鹿発ー見!」
大男が襲おうとした次の瞬間、パアン!っという音と共に大男の右の脇腹に激痛が走った。
「ぐああ!」
大男はそのまま地面に倒れ込む。
「で?誰が馬鹿野郎だって?ん?」
大男が顔を上げるとそこには威圧的な笑みを浮かべた幸が佇んでいた。
「大丈夫ですか?幸さん?」
「ん?ああ、平気だ」
「嵌めやがったな……」
大男は怒りを露にする。
「そりゃま試験ですし?」
そう言いながら幸は大男の右腕を持って大男を引きずりながら退場ゲートまで直行する。
そして退場ゲートの前に行くと大男が幸に向かって言い放つ。
「ははあ、分かったぞてめえの狙いが」
「?」
「退場ゲートは鬼側にやられた逃走者が通るゲートだ、そこに俺を放り込んで退場になるかどうか見ようとしてるんだろ」
「そうだ、と言ったら?」
「てめえは時間を無駄にする大バカってk」
大男が言い切る前に幸は大男を退場ゲートへ放り込んだ。
「どうだ?」
そして幸が栄の持っている機械の画面を確認するとそこには鬼側の人数が29人と書かれていた。
「これで確定したな」
「うん、あとは同じことを繰り返すだけだね」
「んじゃま次の標的を探しに行くか!」「うん!」
ー20分後ー
「おかしい……」
「だよね」
「順調に鬼側の数を減らして今は24人だ、なのになんで
「もしかしたら敵に千里眼を持った人がいるのかも」
「千里眼?」
「見たい物体がどこにあっても見れるっていう有名なサポート能力だよ」
「なるほど……もしかしたら相手はそれを使って逃走者を減らしているのかもしれないってことか」
「そういうこと」
「だがそれをどうやって打破する?」
「それが問題なんだよね……」
そして策を練っているのは幸と栄だけではなかった———————
♦︎♢♦︎♢♦︎
「おかしい」
一人の男が呟く。
「どうかしたのか?
弁平と呼ばれた男は友人の問いにこう答える。
「鬼側の人数が6人も減ってるんだよ、本来鬼ごっこで鬼が減ることは絶対ないのに。これはどっかの誰かが鬼の減らし方に気付いているってことだ」
「そりゃ厄介だな」
「……なあ
「?ああ、11人程度いたぜ」
「視覚を共有してくれ、さらに絞り込む」
「了解」
強兵が弁平の肩に触れた瞬間、弁平の視界が強兵の視界に移り変わる。
「
瞬間、11人の逃走者の真横に全長20メートルの杭がズドオオン!っととてつもない勢いで落ちた。
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