第11話 第二試験

「えーみなさまおつかれさまでした。それではこれより第二試験まで10分の休憩です、ゆっくり休んでください」


そう言うと芝岸はすぐに補助官に書類審査で提出された幸の書類を取りに行かせる。


高倉 幸、審査書類:

誕生日:12月24日

異能:熱操作

成績表:

理科:3

数学:4

国語:4

古典:5

英語:3

体育:5

アピールポイント:

生まれ持った身体能力が高い


(なるほど……巨木の首を切れたのは熱で首を溶かしたからか……ん?)

芝岸は一番下の項目に驚愕する。(彼のあの身体能力…中学までなんらかの訓練を行っていたのかと思っていたがまさか生まれ持っていたとは……)


ここでひとつの疑問が浮かび上がる。(だが彼……妙に場慣れというか、戦闘慣れ

していたような……)だがすぐさま芝岸は頭を横に振る。


(もしなんらかの暴力沙汰を起こしたならうちにはよほどの理由がない限り入れないし異成は緊急時又は事故以外で倒した場合犯罪だ)


10分後、幸含む受験者達は第二試験会場に移動する。


ー2時間後ー

「うおおおおおおお!」

「待てやこらあああああ!」

「幸君!!あの人達ずっと追って来てるよ!どうすんの!」


「とりあえず全力ダッシュだあ!」

「ぶっ殺してやるー!!!」


(くそ。。。。。。どうしてこうなった!?)時は遡ること、2時間前

———————



ー第二試験会場ー


「えーみなさん初めまして、第二試験を担当する戸部とべです、この試験ではみなさんにこちらが用意したルールで鬼ごっこをしてもらいます」


(鬼ごっこ。。。。。。?)

「まず逃走者と鬼をくじ引きで決めます、次に、鬼には赤、逃走者には青色の輪を体の一部につけてもらいます」


(敵と味方を区別する為か)



「鬼が逃走者の輪に触れればその逃走者はリタイアとなり離脱します」


「そして制限時間3時間以内に人数の多いチームが勝者、通過となり、負けたチームからも貢献度が最も高かった5人を通過とします」


「最後に、ある程度の戦闘行為は我々は咎めません、がもし骨折などの重度な怪我を負わせた場合、失格になる危険があるのでくれぐれもお気をつけて、それでは武器を選んだ方から後ろにあるゲートをくぐってください」


その後、幸はすぐさま木刀を手に取りゲートをくぐった。

「おお、なんだここ、森?」

そうして5分程度周囲を歩いているとゴンッと何かにぶつかる。


「いてて。。。」幸が目をやるとそこには息を切らして額を抑える眼鏡をつけた受験者がいた。


「だ、大丈夫ですか?」

「は、はい。。。。。。ってそれより早く逃げ——」


青年が言い切る前に、巨大な棍棒が目前に迫る。「危ない!」咄嗟に幸は受験者を腕で退かすと、そのまま棍棒で吹き飛ばされる。


「がはっ!」

「お、開始早々2人も逃走者を発見できるなんて俺様ついてるー!」

「くっ!」


眼鏡男は最初に選んだ銃を構える。「おーやんのかてめぇ?いいぜ、やってみろよ」


(なん。。。。。。だ、よこれ)薄れ行く意識の中で、幸はただただ困惑していた。


第二試験:鬼ごっこ試験、開始——―――——

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