第7話 討伐者
(ローディンか。。。。。。先ほどの異力が奴らのだとすると相当な実力者。。。。。。それに俺の刀を鉄糸で砕きやがった)
異成は気づいていた、緑髪の男の手から伸びる細い糸に。
「いきなり出現した異力に気が付いて来てみりゃあ、おめえ幻魔蜘蛛だな?」
その問いに六本腕は一瞬ピクッとなる。「だったらどうした?」
「今日は非番だったけど仕方なく来たが、おまえを倒せば特別報酬が出るからどちらかというとラッキーだったな」
「俺もお前は知ってるぜ、
次の瞬間、長谷田と呼ばれた男が両手を引っ込めると、何の前ぶれもなく、六本腕の残っていた刀が全て砕け散った。
(おいおいマジか)
幻魔蜘蛛の刀はかなりの強度を誇っておりそう易々砕けるようなものでもない、にもかかわらず長谷田は一瞬ですべての刀を砕いた。
「桜田、ガキを頼む」
「はいよ」
すると桜田と呼ばれた女が指を鳴らす。
次の瞬間、幸の意識は無くなっていた。
(ガキが気絶?俺の遮断でも気絶しなかったのに)
「余所見はするもんじゃないぞ」
突然幻魔蜘蛛の腕は輪切りになって地面に落ちた。「なっ!」(まずいな、こいつとは相性が悪い)
「来ないならそのまま死ぬだけだぞ」瞬間、大量の鉄糸が幻魔蜘蛛に迫る。そして鉄糸が幻魔蜘蛛の体に触れた瞬間、幻魔蜘蛛は霧状になって四散する。
「ちっ逃げられたか、桜田ガキはどうだ?」「大丈夫ですよ、しかし凄いですねこの子」「なにって幻魔蜘蛛と互角にやりあってたことか?」
「それもありますけど純粋に異常な回復力なんですよ」「?」「さっきは所々傷があったのにもう治ってる、これ本来は異力を使うことで起きることなんですよ」
「知ってるよそんな事、でどうするこれ」「どうするっていったって、とりあえずローディンに連絡しないと」「結局タダ働きだったぜ、けっ!」
◆◇◆◇◆
あの後、目覚めた俺は家で両親から詳しいことを聞いた。両親曰くあの二人はローディンの構成員だったらしく、俺と六本腕の戦闘の一部始終を見ていたらしい。
そして俺に将来的に討伐者になってほしいと言ったらしい。
(討伐者って……)
たしか六本腕みたいなのを倒してるやつらだよな、とてもじゃないが俺がなれるとは思えない。
とはいってもいますぐではなく、最低年齢である16歳になったらであるため今すぐ結論を出す必要はない、だとしても……
「どう思う?赤桜」
幸は公園でベンチに座り赤桜に質問した。
「とりあえず。。。。。。馬鹿なのか主は」
「は?」
突然の罵倒に困惑する幸、だがそんな幸になにごともなかったかのように赤桜は言葉を続ける。
「主は今五歳児、それほど幼くして異成にダメージを与えたのは事実。それを討伐者になれるはずがない?バカバカしい」
「なっ。。。。。。!」
「それにわしも討伐者を目指すことを勧めるぞ」
「なんで?」
「わしをしつこく追い回していたやつが最近ピタリと来なくなった、ちょうど主が幻魔蜘蛛とやりあった日からじゃ」
「誰だよ幻魔蜘蛛って?」「主が2日前に戦った六本腕のことじゃよ」
「ああ、なるほど」
「それに2日前から主を狙う異成が増えてきた」「?」「主が気付いておらぬだけで既に十体はわしが撃退しておる」
「まじか!?」
「主たまに謎の気配感じてたじゃろう?それ主を狙ってくる異成のだったんじゃぞ」
「今はわしが対処できておるがこの前みたく他人がおるなかで襲撃されるとわしでも無理じゃ」
「なんで?」
「わしのような有害性のある異能所持者は原則として異能使用を禁止されとる、討伐者は例外じゃが」
「ふ〜ん」
「主、頼む申し出を受けてくれ」
「でもなあ」
「このままでは主の家族にも被害が及ぶぞ」
「なっ」
「……考えさせてくれ」
そう言ったあと、幸はベンチから下りて家に帰った。
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