第6話 異能発現

「ガキが、調子に乗るなよ」

異成が煽る、だがそんなものどうでもいい。

今、幸が求めているもの、それは目の前の男を消す事。


(手が熱い。。。。。。これが異能ってやつか?)

幸は右手に力を込める、するともともと熱かった右手が更に熱くなる。


(よくわかんねーけど、とりあえずぶん殴る!)

幸が男に向かって突進すると男は横に動いて衝突を回避する。

幸が地面に着地した隙をついて、男が一本の刀を振り下ろす。


(人間のガキの攻撃食らったなんてあいつらに知られたらなに言われるか……)

男の思考により振り下ろされる刃がほんの一瞬だけ遅くなった。


それを好機とばかり腹に蹴りを入れる幸。

「かはっ」

(ダメージはそこそこだが、こいつ身体能力が高くないか?それに妙に戦い慣れしているというか)


(見た感じ右手だけが異能の効果を発揮している。だったら右手の攻撃に注意しながらやれば!)

「死ねぇ!」

「ぼばっ」

幸の体当たりをもろに食らった男は思わず距離を取る。


(ダメージがさっきの比じゃねえ、てかまずいな、大量の異力ことりきの気配がこっちに向かってきてる、ローディンか)

男は戦闘の中断を考える、だがそんな思考の暇を与えるほど、幸は優しくない。


「ぐべっ!?」

幸が右手で殴ると同時に男は殴られた右頬を押さえる。

(頬があちい、火傷したような感覚だ)


「もう一発!」

幸の蹴りが腹に入る寸前で男が刀を二本、地面に向かって振り下ろす。すると土煙が舞い上がり、消えると六本腕の男は姿を消していた。


(逃げたか。。。。。。)

などと考える幸の後ろには刀を構える六本腕の男。

「あばよ」

(くそ!)

幸は悪あがきで右手に力を込める、すると右手が赤くなり触れた刀はドロドロに溶けてゆく。


「なっ。。。。。。」「もらった」「がはっ」すかさず顔面パンチを食らわせる幸。それをまともに受けた男はよろめいていた。


「飛び三日月!」

今度は三日月の形をした斬撃幸に向かって放たれる。

「なんだあれ!?……っておっと危ない危ない」

飛ぶ斬撃に驚きつつもしっかりと回避する幸。


「めんどくせえ、もう異能を使うか」

「?」

「遮断」

瞬間、一瞬だけだが意識が途切れそうになる。

「今のは。。。。。。」次の瞬間、男の攻撃が幸を襲う。


後ろ飛びで避けるも男が刀を一本幸に向かって放り投げる。(まずい、よけられない!)終わりかと思った次の瞬間、刀がピタッと空中で止まった。「え?」驚いてると刀の刀身が砕け散る。


「もう大丈夫だよ」

優しい声が聞こえて横を見るとそこには桜色の髪に、整った顔立ちをしている女性と緑髪で緑の服を着た男の姿があった。

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