121~127  最後の一撃ってやつさ

№121

Unbalance+Bulimia/南川黒冬

……

あ、この方のPNって実はジャン・コクトーへのリスペクトなのかな。なんてふと思いつつ。2作目かな。ともあれリピートいただくと言うのは悪い気はしない。少なくとも、気を悪くされはしなかったのだろうから。

 いやあ、ほんと愉しいやら羨ましいやらへこむやらなんだよなあ。僕は誰かになりたかない。なるか死ぬかの二択なら死ぬ。ただ勝手に超越者命令で誰かにさせられるのなら、こういう文章と物語の書ける人になりたい。力はあるし洒落てるしテンポいいし。

 作品の感想、前回より難しい。ちなみに、まさかグルメ小説かと思って読み始めたが、まあ、ある意味確かにね。うーむ、設定としての核心部分をばらすのはやはり本意じゃないしな。相変わらず女の子格好いいしクールだし。好みストライクなんだよな。MはMでもなれ合い御免の全力で戦って負けたい男性におすすめ。

 俺、絶世の美女と全手段全力で戦って完全敗北するのが夢なんだよね。真のマゾの抱く夢ってそういうものだと思う。予定調和? いらねぇわ。 

んん? なんで俺いきなり謎カミングアウトかましてる。つまりだ、とにかくこういう相手にならそういう夢をぶつけてみたいみたいな、変な琴線にきちゃった。

それぐらいカッケーの。

https://kakuyomu.jp/works/16817139555060337384



№122

雨ごんごん/野栗

……

なんだこれは。としばらくアホみたいに締まらない唇で呆けた。とても楽しい。

ものすごく楽しいのだが、観光でしか四国に行ったことのない俺がどれだけ楽しみ尽くせたかは、未知である。ひとまず参考ページにも飛んでざっと見てみた。どの片田舎にも、狐狸の伝承はきっと沢山あるのだろう。

 うちの叔父たちが話すその手の話は

「寺の墓場でがさがさ言うとるので、失せろと怒鳴って追い払った」

 だの、

「同じ道を延々と歩かせるイタズラされたので、脇道の藪を傘でぶったたいて喚き散らしたら泣いて逃げてった」

 だの。あやしい自慢話ばかりだったので新鮮である。当然ながらどちらの話も寺の寄合などの後なので、酔っている。さりげなくやべえ俺の血脈。

 はい、またすごい脱線した。

 この著者様、他の作品もですが、読んで楽しい気持ちにならない人、いないと思いますよ。四国は自然が峻厳ですよねー。大歩危小歩危も異界感すごかった。犬とか狐も多いんでしたっけ。作品に昇華できるの、すごいと思います。

 


№123

高2から始まるラブコメディー!?〜ラブコメに抗った男の末路〜/ざるうどんs

……読了後、『なるほど~』と脳内で10回ぐらい言ってしまった。

えーまずはタイトルから多分想像がつくような展開とドタバタがあるんです。が、それだけではございません。そしてここで私が言うわけには参りません。このジレンマは作品のタイプによっては、どうしてもついてまわりますね。

こう、ジャンルでとらえること自体の限界といいましょうか。ジャンルなんて材料でそいつでオリジナル料理を作れるんだぜ! と言われている気がします。

となると特定ジャンルタグのみ検索~って行為、ある意味こういった作品との出会いを妨げることになりますね。私がタグで探し回る派じゃないので、実際やってみないとよくわかりませんが……。

とにかくもびしっと決まってやられたってなります。意味深さに気が付いて作品にたどり着けた人のみへの、ご褒美って感じでしょうか。

としたら私、役得というか相当幸運でした。



№124

鍵穴くん/うすしお

……あ、うすしおさんだ。リピーターさん嬉しいですね。

少年とエモ好きの方にはお勧めな著者様です。

俺がいうエモは音楽ジャンルの用語の方よりのエモね。すごいまっすぐなんですよ。で、昂るところガーッていくんです。

罰欲のほう(先の参加作品)との時系列はどうなってるのかな。こっちが新しいのかなと思うのですが。

気になりますね。

 というのも、レイアウトが非常にスッキリになってて、驚いたからです。もともとネット投稿を意識された原稿なのか、先の作品より、モニタで追う目にとっても優しくなっています。経緯はわかりませんが、見習いたい姿勢ですよね。

でも作風がぶれていなくて、実際僕は好きだったので誉め言葉だしても同じ単語でちゃうんですけども。やっぱり謎シンボルキャラの使い方が上手いです。



№125

ずっと好きって言いたかった/Nobuyuki

……王道っちゃ王道なんですが、すごく分かるしすごくあると思います!

ほんと恋愛というのは複雑に見えて実はシンプルだったりするくせに一つ嚙み合わないだけで死ぬまで結実しなかったりする。ゲームにしちゃ生々しくて残酷すぎますね。

恋愛中心なだけでけっこう通りすがりのお立ち寄り、多いと思っていたんですが、そういうことはないんですかねー? 

全体に評価着いてなさすぎな気がします。内容直球だし、受け皿広いと思うんですけれども。

えー? ちょっと独特なとこもあるけど、ケイタイだと読みやすい折り返しに結果としてなってると思うし、それほどのクセでもないと思う。なんでだろう。

男としてこういう苛立ち経験したことあるし、そういう人多いとも思うし、とりあえず短編からこの著者様入ってみるのいいと思いますよ?



№126

異世界転生仔猫。(仮題)/橋元 宏平

……あらさらにリピーター。執事がアレしたりアレするお話の方ではないですか?

ちょっとそっちとのギャップに笑う。

公開日がですね、20230531って。この企画の最終日ですね。まさに駆け込み。初めから「これ読まれないだろうな」って予感しちゃった感じ、でしょうか。

さて残念なことに、私がかなりの犬派でございまして、猫とのふれあい経験がわりとマジでないんですね。駐車場の車の下にいるやつしか普段見ない……。

 感想ないですってわけではないんですが、かなり

「そうか、そういう願望になるのかぁ……」

 というナルホド系の感想でございまして。うまく言えません。

 単純にアンマッチですね。ただあんな風にお昼寝したいなぁ、とは思います。実際、犬の寝息ならマネできるんですけども、ネコのを聞いたことがないので。ああ感想になってない気がする。どうしよう。もう猫好きのみなさんに見ていってください。

「犬派はこの良さがわかんねえのかよ、哀れだな」

とか何か出てくるのだろうと思います。




№127

名無しの権兵衛は異世界で名を残したい!/硝子野ブリキ

……これでついにラストか。書き終わったらどんな気分になってるんだろうな。


えーまず、大阪とほぼ無縁な生活を送ってまいりまして本場大阪弁なのかどうかも分かんないのですが、どうかご勘弁。

卓越したギャグ&コメディだと思います。

あと死因がトラックでも鉄骨でもないので好感が持てますね。しかも転生するのに女神でもヒゲの神様でもなく、あの方が案内役です。

でも芸術も商売だからしかたないか……むしろ適材適所?

なにせ文芸だろうがなんだろうが芸術で食うの大変ですからね。与えた感動が通帳にはいってくればいいのですが、やはり安定した現金収入を得るのって大変な世界らしいです。美大行った友人が言ってました。職あるくせに。

結構パロネタが出きますが、今のとこギャグ路線にだいぶ寄ってるので白けるってことはないでしょう。苦手な方だけ、心の準備して読めばいいと思います。

あと、ネタ分かんなくても全然笑えますよ!

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