101~110
№101
フレッシュ・スカイ/雨傘
……タイトルと紹介文がチラ見えする時点で、すでにすごーく気になってた。
ミリタリー含みSFまたはSFチックミリタリーは、難しい。読み手が強者ぞろいだ。空モノとなると、さらに難しい。「なんかもうこの人は専門誌でコラムとか書いてるプロじゃないのか」みたいなツッコミ入る。「そんな操作や機能知ってるとかもう関係者だろコイツ」みたいなツッコミも入る。
同時に「これ、見たこと無い単語が多くて分かりにくいです」という方向からの批判というか、一般の当然なご意見もいただく。
でも、ライトにしたらしたで「細かさとかリアリティがなくなったな」とか言われる。
そもそも三次元機動するヒコーキの挙動を文章で表現するの大変。ジェット機になるともう、お互い目視してなくて戦うわけで、兵器とかレーダーとかコクピットでの操作の描写がこれまたすごいきつい。
要は玄人向けのお店を運営するので、姿勢と勉強とさじ加減に苦労するの必至なのである。もうそれだけで応援を百連打したい。しかも主人公が滅茶苦茶いい味出してる。ヒロイン(?)もいい感じにトンでる。魅力的。心理描写もいい。
本っ当~に! 続いてほしい。
https://kakuyomu.jp/works/16817330653123168649
№102
愛する人(3分で読める短編集)/カムクラとそら
……よく思いつくなぁ。なかなかこう、アイデアというのは安くない。
あとから他人が色々文句を言えるのは、すでに作品がそこに存在するからだ。すごいと思う。色々思うなら、さっさと同等以上のもの書けばいいのだ。
んで。
ただ、このアイデアたちはあまり大事にはされていないのかな、とも感じた。誤字脱字は気にならない性格だが、あまりに多いと流石に集中できなくなってくる。
多少のノイズならともかく、名曲でも音割れすぎるとやっぱりノレないじゃん。
あと、僕は文章作法なんて犬に食わせといていいと思ってるぐらいだ。が、句点と読点が入れ替わったりしてる。ちょっともう、ここまでくると殴り書きに見える。さらに急に著者目線のメタあとがきが入り、余韻が醒めたりもする。
3分で読めるといういいキャッチフレーズ。もうちょっと体裁を整えるだけで、産み落とされた彼らはもっと感動されると思う。そこに、なんだか逆に物悲しさを感じてしまった。正直僕の感想としては深めの自分勝手かもしれないが、惜しすぎる感情が拭えない。
№103
無軌道輸送艦ダッフル・ベッセル/ねぎまる
……これもね、タイトルが見えた時点で楽しみにしてたやつです。
もーこのちょっと肩の力の抜けたタイトルね、好き。センスあるよなぁ。無軌道の中身を想像してしまう。そして想像通り楽しい中身だった。ワイワイやりながらしっかりSFします。いやあ楽しかった、無軌道だった。
ええ……?
この内容でずっとハート一切、一個もついてないの何……?
他サイトメインでこっちは放り込むだけ、とかかな。
著者さんページ見る限り、投稿してそのままな感じかな。またまたすごく、見られてほしい作品。完結してるので、まず読んでみてほしい。
もうひとつの連載中の作品もきっと面白い。読み進めてしまいそうになるの、今ひとまずグッと我慢するのに苦労したよ。
№104
闇より出し者共よ/文月 澪
……あ! 『チートなんざクソくらえ』の人でしょう。やっぱり。
どうせ上手いし面白いんだろうなぁ、やんなるよ!
と思って読んだらやっぱ上手くて面白かったです。ブロマンスってタグ、誤記にみえたんですが初めて知りました。世界って広い。
キレイな剣戟ですね。反して敵は結構きれいなだけでは無いんですけども、極端にグロいだけでも無く、少年たちのイイ感じの掛け合いが中和してくれます。
それでこれね! すごく中身濃ゆいのに、一話完結なんですよ。ぜひぜひ。
祝詞の描写もすごいです。それだけでも一見の価値ありますし、結局は引き込まれると思います。
№105
ディナーは埋めたあとに/かじ
……読み終わって、うわあ、なっるほどなぁ! となってしまった。あまり詳しく書くのもアレだが、すごいきくパンチをもらって崩れ落ちたいのにアッパーでもう一丁来たみたいな感じ。すじとして、これはBLでしかできない気がしますね。いや、BLが何なのかわかってるのかって聞かれたらあやしいんですけど、どうしても過程がね、スッとうまいこと行かないと思います。ちょっとどこまで言っていいかわからない。
確実なのはジャンル関係なくビシッと楽しめる秀逸な短編ということです。別に性描写は一切ないですし。読みに行って下さい。
文章おもしろいから、夜遅いのにエッセイにも寄り道しちまった。俺というやつはもう。
№106
黒剣のマスカレイド/中村十五朗
……いやその、著者様はわたくしの結構状態を著しく損なう可能性があり当企画を停滞させる可能性すらある小説を書いています。つまりストライクなのです。ええい、ただでさえこのところ慢性的寝不足だぞ。ひとまずブクマしときます。
ええと、わかりやすく紹介するとロボものです。描写からして、頭部や腕部、足もあるようなので、かなり人型してますね。技術的にはSF世界で、緻密な描写が光ります。で、空で戦うわけです。たとえとして分かりやすいのは、マクロスとかエウレカでしょうか。
一方で王国や騎士というワードの出てくる世界です。かなり前になんとかアンジェというアニメあったと思うんですけども、ちゃんと見てないんですが世界観ちょっとあんな感じもありますか?
で、ともかく。これ映像だと
「ほえ~! びゅんびゅん飛んでドカンドカンして爽快でかっこいいね!」
と、結構誰でも楽しめるんです。
ただ文章だと空中の戦闘なかなか難しくてですね。「とりあえず読めよ」で100%頭に全方向の大パノラマで描かれて楽しめるかとなると、完全になじみのない方には若干とっつきにくいのではないかと思うのですが……。やはり好物なのでおすすめしたい。ああ、ネット上のモノに手を付ける気はなかったんだがなぁ。無限だから。
https://kakuyomu.jp/works/16817330656477936081
なんか言っておくと、現実の航空兵器好きじゃないです。見た目は機能美があって美しいですが、いざとなれば町や村一つ消去しちゃう武器積んで飛ぶ、そのために作られているんで。でもやっぱりエンタメとして良いものは良くて、敬遠せずに触れてほしいと思わずにいられない感じです。空戦もの流行れ!
№107
崖っぷちOL、異世界で魔王の花嫁となる/雪屋 梛木(ゆきやなぎ)
……おっ、久々にトラックにはねられましたね。住宅地では徐行を徹底するのがプロですので、どこぞの自社白ナンバーか腐敗事業者でしょう。
ちなみにヒロインのお名前が、僕の書いてるポンコツで残念ヒロインと完全にかぶってて、なんか申し訳なくなりますね。お話のほうはさてもう、いちいちくすくす笑えます。こういうこと考えてる女性、ほんっとかわいいとおもう。なんでそういう男性につかまっちゃうんだろ。
あ、でも俺も割とアレなので、要するにそういうことなのか? おい、なんで俺が急に自省モードONで落ち込まなきゃならない。日頃の行いのせいか。
でまあ、ちょっとこの作品自体はですね、始まってそんなに間がなく、序盤からとっても楽しいよ! とまでしか言えないのですけれど。
著者様のページをみてちょこちょこつまんでみたんですがどれもとても面白いんですね。つまり信頼度というか、このまま面白くなっていく可能性大かと思います。
変則的な感想ですが、抑えといて、波長が合ったら栞はさんじゃって損しないでしょう。あの、なんかすいません、こんなんで。
№108
黒のシャンタル 第二部 「新しい嵐の中へ」<完結>/小椋夏己
……これは第二部なんですね。現在連載中の第三部もあるんですね。とりあえず二部を読みましょう。二部で350話ぐらいあるので、第一部を把握せずに理解できるのか不安。
えー、なので、結局第一部も序章を予習しました。
ざっとみてみますと第一部は三章七部構成、第二部も第三章第七部まである。第三部は連載中。第一部はプロットがあったか、終わりまでの書き溜めと導線が著者様の頭の中にあったんじゃないかと。第二部はおそらく、どこ時点からか分からないけど、プロットなし進行になっていますね。
キャラ同士の掛け合いが結構ありまして、しかもここからプロットなしでの毎日投稿になって、それで文量膨らんでいるのかな。で、掛け合いはとても楽しいです。キャラ生き生きしてます。
そこで戸惑ってしまったのですが、次の山場がどこにくるのか分からないんです。毎日更新すれば、こうなるか……私、真剣に悩んで考え込んでしまいました。
本当に毎日更新されているんです。これ誇張じゃないんです。毎日、最低1話二千文字前後は必ず。大晦日も元旦もですよ⁉
企画に参加いただいたということは、『この第二部も読まれたいなぁ』ということだと思います。そこでやっぱり読者さんから見て、どう見えるか考えてみました。毎日、更新通知がくるわけですね。ただ、ほぼ掛け合いのみで展開なしのときもある。読者心理からして、
『何日か置いといたら一万字くらい溜まるから、それから読もうかな~』
ってなる人、多いんじゃないかな、と。そうなるとどうなるかてーと、後回しのうちに離脱していく人も多いと思うのです。だからってスタイル変えたほうがイイのか? とまで、私が言い切れるわけありません。一方で、通読しやすい体裁になってたほうが定着率は高いだろうな、とも思う。グダグダとごめんなさい。本当に考えさせられました。
お話、面白いので。私のおすすめの仕方としてはやはり第一部から読んでみること。そのうえで、ハマればこの二部、連載中の三部と行くべきと思います。
№109
ROCK STUDY!!/羽黒川流
……あのー、羽黒川さん? 魔女のヤツの戦闘描写もそうでしたが。
いちいち俺のドストライク突くのやめてくれませんかね。えー、まずヴィンテージギブソンレスポールに嫉妬。俺なんてフェンダーメキシコのテレキャスターだった。それでもいい作りだったけど。しかもthe pillowsやストレイテナー好きなのですか。最近は山中に興味ないけどこの小説の年ぐらいまではまあ、ギリギリ無視できない輝きがあったね。
もうね、この作品。滅茶苦茶に全方向におすすめしたいんだけど。やっぱハテナマークな人にはハテナだと思うんだよ。
でも、正しいと思うことだけははっきり言っておく。
この作者さんが何歳で、どういう音楽を聴いて育ったか知らない。僕より年長の人からしたらなじみのない曲名やバンド名も交じってるかもしれない。年下の人たちからしたら、さらに聞いたこと無いワードだらけかもしれない。
でももし、『それは世代の差だよな』と思うのなら、文芸に費やす時間も無駄だから、あなたは書くのやめたほうがいい。コンビニや書店平積みに並んでるものだけ買って、楽しく読んで消費して生きていくのがいいよ。幸福だからね。
〝歌や踊りは法の外〟
文芸だってそうだ。最低、先入観から自由であるべきと意識したほうがいい。そう生きようとするだけで、実に敵は多い。
なお僕の好きなアルバムはサニー・ディ・リアル・エステイトの『Diary』。なんか一転して上から偉そうなことを書いちゃったな。でも俺は俺で退けないコトは退けない。
https://kakuyomu.jp/works/16816452220970318435
とりあえずみんな、映画『スクール・オブ・ロック』見よう!
どのサブスクにもあるはず。なんとなくわかってもらえると思う!
№110
一番大切な人/垂水わらび
……タイトルだけだとなかなかわかりませんが、壮年男性たち、かつ国家官僚世界というすごくいいスパイスのついた作品です。一話完結短編なので、読了した時点で「多くは書くまい」と思ってしまった次第ですが、ちょうど一万字ほどでこれほどずっしりした読後感を得られるので非常にいいのでは。
個人的には役人って苦手なんですけどね。仕事上、民間と比べて融通が利かないから。あ、中にはもちろん心ある方もいまして、いろいろ気をつかってくれますけど。やはり公用は大変です。
著者様の連携ツイッターまで全部追ってないですが、時代設定的には著者様にとってけっこう新しめの挑戦だったのかな。他投稿サイトまでなんて当然追えないので、分かりませんけどね。
ええっと、でもすごくわかるところがある。男同士の恋愛感情については、実生活ではなかなかわかりませんが。
「なんかこいつとの縁は切っても切れないし競ったり意識し合いながら、仕事していきそうだな」
みたいな相手、男なら仕事してていませんか。自分を顧みて一応いるなー、と思ったとき、すごく共感ができました。
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