年齢や後継者問題で店を畳むのではなく、時代の流れに押されてしまった『桜木写真館』。閉店した日の夜、店主の「私」は思い出の桜の木へ赴く。人は散りゆく桜のさだめを変えることはできず、始まりがあればいつかは終わりがやってきてしまいます。たとえ、代々受け継がれた大切な店だとしても。店の名前と同じ花から「私」は何を思うのでしょうか。2000字に満たない世界観に凝縮された『桜木写真館』の年月を、噛み締めながら読んでください。