第2話 『破壊神』の力、試してみるか

「あの…すみません…、リーリャの町ってこの方向であってます…??」

「違う違う、リーリャならあっちだよ。」

 俺が死に、異世界転生へ転生したあの日から早くも5日が経った。

 この5日間を経て俺が転生した世界について分かったことがある。


 ・この世界は人々にラムパ大陸と呼ばれており、国などは存在しない。


 ・大陸の外側は触れてはいけない禁忌の地と言い伝えられている。


 ・ この世界は現実の世界と時間の流れ方は大体同じである。


 ・この世界の言語は知らないが、人間とは普通に会話することが出来る。


 ・この世界には魔物が多数存在し、度々人間を困らせている。


 ・魔物には強さによるグレードが付けられており、弱魔物、3級魔物、2級魔物、準1級魔物、1級魔物、特急魔物の順で強い。


 ・2級魔物以上の魔物を討伐するという行為には権利が必要。


 ・2級魔物以上の魔物を討伐する権利が与えられるのは、主に冒険者、勇者、魔法使い、そしてその他戦闘に長けているものを職業とする者のみである。


 ・冒険者になるには、冒険者組合で契約書にサインをし、登録をしなければならない。


 ・冒険者組合はラムパ大陸の中枢部『リーリャ』にある。


 これが俺の5日間の聞き込みの成果だ。

 なぜこんな常識を聞くのかとこの世界の人々に変な顔をされたけど。

 とある村の商人から買った地図によると、リーリャの町はもうすぐだ。

 この世界の通貨は『T《テル》』というらしく、何故か転生後にズボンのポケットに入っていた。親切設計な転生なのだろうか。


 さらに歩き進めていくと、リーリャの町が見えてきた。

 その時、俺は魔物に遭遇した。狼のような見た目をしていて、俺を今にも食いたそうな目をしている。

 俺は美味しくないぞ〜…

 そしてこの状況、どうする??俺は武器など何一つ持っていない。

 いや、待てよ。よくよく考えてみれば俺、『破壊神』なんだよな…。


「破壊神の力、試してみるか。」


 破壊神なんだから…、なんでも破壊できるのかな??

 俺は飛びかかってきた魔物に手のひらを向けた。

「破壊」

 は、『破壊』という言葉にそぐわず、とても静寂で、残酷さなど無かった。

 目の前の魔物は一瞬にして塵となり風に消えていった。

 なんだよ…これ、チートじゃんか!!

 てか、これ、使い方ミスったら危なくない?!

 間違えて人に使ってしまったら…。冷やかな汗が喉を伝う。

 あ~~~~、どうしてよりによって俺が破壊神に選ばれたんだよぉぉぉ!!!

 この力の使い所はその都度見極めるように

 しよう…。

 そう決めた俺はリーリャの町へ足を運ぶのであった。








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