夜の私と……

翳 暗鳴(かげ・あんな)

夜の私と……

 落ちてしまった陽を貴女に重ねながら、

 私は中庭で枯葉をちりとりに掃いている。


 どうして今日はこんなにも帰りが遅いのかしら?


 中庭のライトがちらついて、私の中の孤独が、愛を押しやっていく。


 助けて。


 今の私を助けられるのは貴女だけなの。


 私には貴女しかいないの。


 貴女が必要なの。


 玄関に明かりがついた時、私は迷わず走り出した。


 求めていた愛が、私の中に明かりを灯したから。

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夜の私と…… 翳 暗鳴(かげ・あんな) @peeepop202212

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