第八章 人だろうが亡霊だろうが一人にさせてくれよ!

 私はゆっくりと目を覚ますとき、目に入ってきたのは全く見慣れない景色だった。


「起きたか?」と柔らかくて優しい声がした。彼が喋ると同時に私は冷気を感じた。この冷気は馴染みがないわけではない、よく知っているものだ。


「昱軒?」


「お静かにして、」宋昱軒自身の声は全く小さくないのに。「あなたは今ユースホステルにいる。十六人部屋で、男女同室」


「なんで私……」


「蒼藍はおそらく佳芬が陽気強い場所に留まる必要があると思っているのだろう」蒼藍の名前が言及されると、宋昱軒はとても機嫌が悪く、まるで糞を踏んでしまった時の、ムスッとした顔だった。


「なぜそんなに蒼藍が嫌いなの?」頭がまだ少し混乱していたせいで、普段は絶対聞かない質問が口を衝いて出てしまった。


 宋昱軒は答えず、私の足元にあるリュックをそっと動かした。「佳芬の財布、携帯と洗面用具」


 はい、はい、はい。私はさっと身支度してユースホステルを出た。


 携帯を確認すると、びっくりしすぎて死にそうだった。


 今日は木曜日の夜だ。


 眠りにつく前は、確かに火曜日だったことをはっきり覚えているけど!丸一日寝続けてしまった私は豚なの?


「明廷深は佳芬に深くお詫びしたいって、彼は陰気な事があなたにそんな大きな影響を与えるとは思っていなかった」宋昱軒は今、処刑人のローブを着ていた。人間に後遺症を起こさせないように、彼は自分の姿を見ることができない人間を巧みに躱していた。


「私も陰気に自分がこんな大きな影響を受けるとは意外だったよ!毎週陰間の旅をしているのに」私は低い声で探ってみた。「閻魔大王は激怒していた?」


「おかげさまで、明廷深は処刑人に降格された。次の昇進までしばらく時間がかかりそう」


 激怒したんだね……あのバカ冥官に少し罪悪感を感じた。冥官によるいわゆる「しばらく時間がかかる」とは、おそらく百年後からだよね。


「それと、蒼藍が代わりに二連休を申請してあげたんだけど……」


「待って、蒼藍はどのような申請をしたの?理由は?種類は?」


 宋昱軒は私の質問を無視して言い続けた。「──でも蒼藍はあなたのシフトを把握していないから、このあとすぐ夜勤だよ」


 運が良く目が覚めたよ!仕事に間に合ってよかった!無断欠勤になると、今後の評価に大きく影響する。私は昇給を望んでいるから決して評価を落としてはいけない。


「あっ、あとで仕事に行くから先に帰っててよ?」


 宋昱軒は白目を天井にむけることを隠さず、「あなたの今の体調を見ると、閻魔大王に言われなくても、僕はここにいて一晩中に付き添いをするよ」


「あとで仕事に行くのよ!そこにはたくさんの電子機器があって、しかもどれもクソ高いんだよ」


「じゃもう一日休みを取って家で休んで。そうすると僕は帰る」


 その時、私の携帯が鳴った。着信画面に病院からの電話が表示され、出ないといけないので通話ボタンを押した。


「佳芬、今日は出勤ですよね?マンパワーが足りないので人員数の確認をしていますけど……」


「私は本当に大丈夫、あなたも蒼藍も心配しすぎだ」


「上の命令だから、自分で彼に相談しに行って」


「今から忙しいので、あなたの相手をする暇がない、自分で何とかして、あと全ての電子機器に気をつけて」


 まったく……自分でも丸一日寝続けたことに驚いたが、冥官一人を派遣して私の隣で監視しなくてもいいだろう!私が気絶したら、同僚が助けてくれるんだよ。しかも受付や処置から病室に入れるまで全て手順に従ってやってくれるのだ。


「看護師さん、七番目のベッドの点滴がなくなりました」


「はい、わかりました」私は隣のベッドの患者に返事をしながら、注射器を持ってこのベッドに来て声かけた。「痛み止めを注射しますね!少し痛いですけど、深呼吸して……はい、終わりましたよ!」


 人に通り抜けられたくないのか、宋昱軒が座っている場所は私のナースカートの上だった。ここで、本当に自分の「無視」する能力を褒めたい。注射器を取り、採血した血液を扱っている間、宋昱軒を「通過」しなければならないが、私はまぶたさえ震えていなかった。宋昱軒も、私が彼の体を通り抜けることに何も異議はなく、異議があったとしても言えなかったでしょう。


 だって、私は緊急救命室で働いているのに、彼は私をじっと見つめているだけだった。


 そう、冥府心理カウンセラーのアルバイトをしている私の本職は、ある小さな病院の救命看護師なのだ。


 私は霊視者であり、超自然的存在である冥官をたくさん知っているだけでなく、全ての科学理論を凌駕する蒼藍も知っていた。そんな環境の中で育った私は、高校三年間理系コースで勉強したのに加えて、四年制の看護学部を修了し、本科卒業後、狂わず素直に看護師になったのはすごいことだと思った。


 現在の状況を見ると、私は宋昱軒の体を通してナースカートに載せたパソコンで次に薬を処方する患者の名前を確認していた。宋昱軒も思慮深く、私が後ろのモニターが見えるように、体を半透明にしてくれた。


 ……


「別の場所に立ちなさい!」


 くそ、何でこんなにくっつくんだよ!私に追い払われ、宋昱軒は渋々ナースカートから飛び降り、電線が通っていない天井の小さな隅に漂って行った。


「佳芬、誰と話しているの?」


小魚シャオユー、聞き間違いですよ!」と私は自然に答え、もちろん手元の作業も一切止めず、「何も喋っていないですけど」と言った。


「そう?」緊急救命室の皆に「小魚」と呼ばれている江欣瑜ジャンシンユーは、私より少なくとも十年以上の先輩。長年の知り合いなので、たまに『先輩』呼びにするのを忘れる。特にこの先輩がすごい乙女心を持っていたからだ。


「彼氏のことを考えているの?」小魚は片手を私の耳元に置いて囁いた。「先輩にちょっと教えてよ!仕事のストレスが半端ないから、心と体のバランスを整えるため、盛り上がってくれる情報が必要なのよ」


 小魚がそう言ったとき、私の白目は天井にむいた。ついでに体半分しか見せていない宋昱軒を睨みつけた。


 くそっ、全部あなたのせいだよ!この一瞥は、さっきの一言よりも殺意に満ちているに違いない。うちの冥官の目からは申し訳ない気持ちでいっぱいなので、全身が天井に引き込まれていた。


 今更何隠れているんだよ!お前は隠れるだけでいいけど、私は『対処』しなければならないのを知っているか?何れにせよ、小魚は天井にいる宋昱軒を見ることができないので、私は仕方なくぶっきらぼうに言った。「たまたま会った友達だけなのに、興奮しすぎるでしょう!」


「『交際は愚かな行為、一生結婚しない』と宣言した簡佳芬に男友達がいるなんて、この情報はすごくない?」


「私は尼僧院で生まれたわけじゃないから、男友達の何人かがいる事のどこがおかしいですか?」女子校出身ではないから、小学校から大学までクラスにも男子がいたよ! 我々の学部には女子がほとんどだったが、男子も数人いた。


 男友達がいることにそんなに大騒ぎする必要がある?しかも、あなたたちが気にかけているのは人間ではないのだ!ここ数週間、お局様たちにうんざりしてきた。いつやめるんだよ!


「隔離室に誰かいますか?」


「いないですよ!」小魚は振り向かずに答えた。ボランティアさんがドアからベッドを押して入って、ベッドにいる女性は拘束ベルトで拘束されていたにもかかわらず、もがき苦しんでいた。


「私は狂っていない!本当に狂っていない!お父さん、お母さん、こんなことしないで!」


 女性――少女と呼んでも過言ではない――狂おしく叫んだが、ボランティアさんは既にベッドを隔離室に押し込み、少女を隔離室の中に入れ、少女が両親に信じてくれるように哀願し続けるのを放置した。隔離室の外にいた母親はこれ以上我慢できず、目を背けてこっそり涙を流した。


 全てのナースカートにはパソコンが装備されていた。私はカルテを開き、その少女はわずか十六歳で、以前は精神科を受診したことがあり、当時の精神科医の診断は統合失調症だった。


「どこにいるの!早く出て来い!お前のせいだ!お前のせいで私はこうなったんだ!」虚空に向かって叫びながらもがき続ける少女は、とても情緒不安定だった。


「まだ十六歳か……」小魚はあごを支えながら漠然と言った。精神病患者が救急室に運ばれることは珍しくないので、このようなケースは多かれ少なかれ身近に感じた。「最近の精神科患者は皆若いと思わないか……佳芬?」


 私は隔離室に入ってドアをそっと閉めていたので、小魚が後ろで言ったことをあまり聞いてなかった。


 ちょっと変だね……薬が送って来る前に、彼女の話を聞いてみよう。今日は昱軒がいるので、可哀想な仲間なのかどうかを確認するのは簡単だ。


 幽鬼が憑いている兆候は見られなかったけど。


 私は優しい笑顔を見せ「こんにちは。お名前を教えていただけますか?」と尋ねた。


 彼女は私を見上げた。ここに来る前にイライラして髪をかきむしったかもしれないので、彼女の髪は乱れ、目には辛い涙以外に、恐怖でいっぱいだった。血走った目は泣いているのか疲れているのかわからなかった。


「書涵、廖書涵リァオシュウハンです」彼女の声はまだ詰まっているように聞こえ、私はただ名前を確認するだけだった。本当にやるべきことはこれからだ。


「昱軒、聞こえたらここに来て」私は小さい声で言ったので、宋昱軒がそれを聞こえるかどうかはわからなかった。『宋昱軒』は彼の本名ではないため、『魂呼び』はできなかった。普通のさまよえる亡霊は、本名を呼べば素直に私の指示に従うが、それは基本行動に過ぎなかった。少し力のある幽鬼は、私から何の力もない魂呼びに抵抗できる。


 幸いなことに、宋昱軒は視界にいなかったが、私が呼んでいるのを聞こえていた。人影が天井を通り抜け、音を立てず私の後ろに軽やかに着地した。


 宋昱軒を見ると、少女はあまりの驚きに大声で叫んだ。少し耳が痛いが、防犯カメラが現場を録画しており、しかも画面はナースステーションの誰もが見る事ができる場所にあり、隔離室のカーテンさえ閉めていないので、私の潔白を証明してくれた。


「佳芬、このベッドはあなたの担当ですか?」このベッドを担当している同僚が叫び声を聞くと入ってきて、私に確認した。私はすぐに首を横に振った。「いいえ、この子とどこかで会ったことある気がして、実家の近所のお子さんなのかを確認しただけです」


 彼女はこれ以上質問せず、少女に関する基本情報を両親に確認し続けた。


 そのままにしておくのは可哀想なので、周りから変人と見なされるリスクを背負いながら、少女が自分の状況を明らかにするのを助けた。


 彼女は精神病ではなく、たまたま『見える』だけだ。霊視はとても奇妙なことなので、私のように生まれつきの人もいれば、思春期や成人期になってから見えるようになる人もいる、一部の人は生死にかかる状況を経てからこの能力が身につける。そういえば、精神科病棟に実習しに行った時も、亡霊で頭が混乱している仲間に出会ったことがある。


 仕方ないことだ。頭が大丈夫な霊視者は自分の心臓のために、理系コースを選ばないし、病院で働かないと思うので、誤診することはたまにある。もちろん、このような事を知った後、冥官に台湾の精神科病棟を巡回するように願い、出来る限りのことをした。


「彼を見えますよね?」腕を組んだ手はほぼ見えないように宋昱軒の方向を指差した。「あなたが見たものを教えてもらえますか?誰があなたに話しかけていますか?彼はあなたを助けますよ」


 宋昱軒は同意を示して頷いた。少女はまだ少し驚いた様子で、おずおずと「彼は……?」と尋ねた。


「彼は幽鬼です。それに結構イケてる」私は冗談を言い、書涵に少しリラックスさせようとした。「私も『見える』から、言って大丈夫です。私たちはあなたを助けますよ」


 この時、書涵は少し落ち着き、喉から発した声が少し震えた。「えっと……一年前から、断続的に誰かが私の後ろにいるのを感じ、あといくつかの声が聞こえました。最初は関心の言葉でした、例えば、『早寝しよう』、『財布を忘れずに』、『寝ながらスマホをしないで』とか──」


 なんか子供にブツブツ言っている母親みたいな感じ?私はコメントせず、彼女に話を続けさせた。


「しかし、話す声はどんどんはっきりしてきて、より干渉するようになりました。勉強に疲れて机に突っ伏すと、あの声は私を驚かせ、無理やり勉強させられて……」


 彼女はそう言った時、私は思わず彼女の両親の方をちらりと見た。両親はまだいるのに……もしかして先祖なのか?この世界はモンスターペアレントに加えて、モンスター先祖様も登場するとは?


「では、なぜ今日ご両親はあなたを緊急救命室に連れてきたのですか?」書涵の父は、私が彼を見ているのを気づき、すぐに私から目をそらしたが、彼は悪意があるのではないことは理解しており、ただ愛娘と喋っている人を心配しただけだった。


「今日は、テストで満点取ったお祝いとしてタピオカを買って部屋で飲んでいたんだけど……私は滅多に飲料を飲まないので、親も気にしませんでした。でもあの声は怒って私に怒鳴り散らし、健康をないがしろにしていると、年老いたら全身病気になり報いが来るなど……ずっと叱っていました。次に、キャビネットの飾りが全部落ちてしまいました。私も怒ってきて、陶器の人形を取って彼女に投げようとしたら、手に持っている陶器の人形が爆発して、飛び散った欠片で私は手首を切りました……」


 ということは、自傷行為の疑いをかけられたということだよね。救急隊員が緊急に包んだ手首に目を向けると、傷はかなり大きく見え、白いガーゼに血がすでに滲んできた。


 ……この幽鬼の支配欲は強すぎるだろう!別に自分の娘でもないのに、どうしてそんなに憤慨するの?でも、この幽鬼は十分な自意識を持っているようで、怨霊である可能性は低かった。さまよう亡霊といえば……普通、道に迷うさまよえる亡霊は、生者にこのような嫌がらせをしないのでしょう。


「そういえば、偶然鏡に映った『彼女』を見たことがあります」廖書涵は付け加えた。「彼女は女の子ですが、衣装は……隣のこの方と全く同じ古代の衣装を着ています……」


 この話を聞いて、私の目は大きく見開いた。この時、緊急救命室全体の照明が「パチン」と消え、非常口表示灯の緑の光すら見えなくなっていた。隔離室で、左後方に宋昱軒の体を包んだ蛍光緑の明かりが見えた……


 私の右後方にも、淡い蛍光緑がふんわり光っている別の人影とぶら下がっている剣の白い影がいた。


 宋昱軒は私の体を直接通り抜け、もう一つの人影に飛びかかった。よく見ると、それは一人の女性処刑人であった。


「バックアップ電源はどこだ!もしもし、ここは緊急救命室だ。停電だ──」


「手伝いに行く」私は反射的に社員証を入退室管理システムにタッチしたが、聞き慣れたピーの音は聞こえず……


 くそっ、私はここに閉じ込められた。


「戦うなら外で戦ってくれ!私の患者の何人かが電気切れで死ぬのよ!」私は佩剣を出した二人の冥官に大声で叫んだ。実は、私が怒鳴る前に、宋昱軒は女性処刑人を壁方向に押し付けようとした。女性処刑人は胸の方の弱点暴露してしまい、宋昱軒は横向きして蹴ると女性処刑人は壁に落ちて見えなくなった。宋昱軒の攻撃は止まらず、地面を蹴ると、隔離室から出て追って行った。


 二人の冥官が去った後、緊急救命室の照明が点灯し、停電から復帰まで十秒もかからなかった。幸いなことに、多くのデバイスにはバッテリーがあり電力少し持たせてくれた。そうでなければ、本当に想像を絶する結果になっていたのだ。


「くそっ……明日は絶対新聞に載せられる……」ある常駐医が悲しそうに叫んだ。「なんでこんなに不運なんだよ!」


 緊急救命室にいるすべての皆様に申し訳ない、私は心の中で呟いた。しかし、この停電が私と関係あるとは決して認めない。


 ……ああ、くそ!憑いていたのは冥官だと知らなかったよ!ただでさえ幽鬼は電化製品との相性が悪いのに、冥官だと破壊力が普通の幽鬼や亡霊より数倍高いよ!


 全ての看護師は患者たちの様子を確認するのに忙しいので、私も例外ではなかった。というわけで、再びナースカートの前に戻って来た私……


「佳芬」小魚が近づき、不思議そうに尋ねた。「停電前に隔離室にいたよね?」


「ええ、どうしましたか?」


「何か感じたり、見たりしたか?」


 私はびっくりしたが、すぐに冷静さを取り戻し、「いいえ、どうして?」と困惑した表情で答えた。


 小魚は隔離室のパソコン画面を指差して言った。「停電の一秒前に、あなたが隔離室で何をしているのかを見ていた。すると、あなたの後ろにぼんやりとした緑色の人影が二人立っているのが見えた!」彼女は心配そうに私を見た。「本当に大丈夫?」


「小魚、私たちは理系出身ですよ。世の中にはそのような非科学的なものがないのを知っていますよね?」


「佳芬、我々の仕事をすると、強情っぱりな人にならないほうがいいよ!」小魚は心から勧めた。「強情すぎるといつか痛い目に合うよ。お祓いしてもらいたいなら、私が知っているところを紹介するね。とても効果あるよ!」


 あははっ、全く必要がない。私の後ろにいた二人の幽鬼のうちの一人が古い知り合いであることは別として、お祓いをしたい場合は、もちろん蒼藍のところに行く。絶対効果あるよ!


 宋昱軒は三十分以内に戻って来た。今度彼は何も言わず、天井に隠れてじっとしていた。私が退勤した時、彼は自動的についてきた。


「今は朝の八時だけど、太陽の光はきついよね?」私はできるだけ日陰を歩くようにし、宋昱軒への道を残してあげた。


「これくらいは大丈夫、大したことはない」冥官は首を横に振ったが、これ以上言わなかった。しかし、彼のローブにはいくつかの傷が増えたことに気付いた……


「昨夜のあの冥官、今度下に行ったら会いたい」


「彼女は今拷問されてる、様子はちょっと……」


「ああ、あなたたちの様子はいっぱい見てきたよ!彼女の気持ちを聞かせてカウンセリングしよう!彼女がそうした理由さえ分からずに罰したら、将来また再発してしまいそう……昱軒?」


 宋昱軒は足を止め、恐ろしい眼差しで後ろ路地の暗いところを睨んでいた。


「どうしたの?」


 宋昱軒は威圧感を消し、私に話しかけた時には、私がよく知っている古い友人の宋昱軒の感じに戻った。「大丈夫、身の程知らずのいくつかの亡霊があなたをじっと見ている」


「ただの亡霊なのにそこまで圧倒させるの?」


「二度とついてこないように怖がらせるだけ、知っているよね、もしあなたが亡霊に憑かれていたら閻魔大王はさらに護衛を派遣するでしょ……」


「すみません、申し訳ございません。彼らを追い出してください。お願いします」幽鬼に憑かれたくないよ!冥官でも嫌だ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る