第7話 一年後
緑火を配下にして一年経過した。
あらゆる魔物を倒し配下にし、生態系の頂点の一人として天魔は君臨していた。
そんな折にある情報が天魔の元に訪れる。
「なるほど、近隣の冒険者ギルドか」
「主様をどうやら脅威とみなしたようですね」
「まあ、日夜戦って冒険者の方々が恐れ慄くくらいの魔物を狩ってればそうなるか」
一年もすると自分が人間でなくなった事も自覚し、人間の心と悪魔の体を持つ特異体として認識している。
凶悪な力としてあるものはもちろん、自分には常に過ぎた力として認識している、あれからステータスも高まりレベルも上がった。
余りにも高まり続けたので途中から確認するのはやめた。そのうちなんらかのきっかけがあれば確認すればいいだろう。
何より緑火も二段階進化して、フレイムゴブリンジェネラルという種族に進化していた。この世界の知識によるとユニークモンスターで名前のある特殊進化をもたらした者は極めて脅威であるとされているらしい。
恐らくこの森に来た冒険者等がたまたま僕らの索敵を抜けて目撃でもしたのだろう、冒険者にも能力の高い者はいるらしいし。
そして今の僕の種族は原初の種族と言われる悪魔と呼ばれる種族らしいし、基本的に魔人や魔物という括りではなく意識を持った脅威として目されるらしい。
隣にいる緑火を見ると執事服とモノクルをつけた緑色の美男子になっている。どうやら進化すると同時に個体としての体は縮小するが内在する戦闘力は濃縮され向上されるような仕組みというのを理解した。
「そろそろ、仲間を見つけるかね、別に争いたいわけではないし」
「そうですね、戦うのも吝かではありませんが、この森を2人で開墾するのは少々大変ですからね」
「そうだねえー、今のところ友好的なのはルキアだけだし、他のご近所さんたちはなかなか出てこないからね」
「勢力図がどんな形かはわかりませんが、未だ監視対象なのかもしれないですね」
「うん、まだここにきて一年くらいしか経ってないからね、どんな種族がいるかは魔物くらいしかわからないからなあ」
天魔は頷くと同時に、
「決めた、冒険者に会おう、とりあえず何が脅威かを聞いてみるのが一番いい。」
「それはよい考えでありますね」
緑火はにっこりと笑う。
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