第三話 新たな世界

この世界の知識と情報をインストールされて、転送されたその地は通常では把握できないような樹齢を重ねた深緑の森林。


「なるほど、この森は帰らずの森か」


情報通りなのであればこの世界の魔境の一つ、あらゆる生物が入る事のできない前人未踏の地。


凶悪な魔物や知性のある人外達の住まう未開の地。


いきなりこんな普通ならば来れないような場所に転送するというのはどうにもおかしな話とも思うが、実際僕に継承された力はここでも生きていけるようなだいそれた代物であるから仕方ないかな。


この世界にはレベルとステータスがあるけれど、僕のステータスは受け継がれた悪魔の力で大分底上げされているらしい。


ステータス


レベル1

テンマ=アクタビ


種族

原初の悪魔


HP2000

MP4000


攻撃力1000

防御力3000


力200

魔力9000

器用さ4000

抵抗力10000

知力30000

運999


装備


悪魔の和装。

黒の籠手。

闇色の袴

黒のブーツ


技能


喰らう者レベル1

全魔法適正

無詠唱。

並行詠唱。

全武具適正。

アイテムボックスレベル1

創造魔法レベル1




表示はどうやら僕にわかりやすくしてくれたみたいだ。

とりあえずステータスは超常種と呼ばれる種族の中でもレベル1であるならば、かなりの高い能力のようだ。


だがそれに慢心せずにレベルを上げるという事をするのがいいだろう。

油断をするときっと寝首をかかれる可能性がある。


せっかく身に余るほどの力をもらい転生までしたのに油断して死んだのではノアさんに申し訳がたたない。


まずは目立たず良識ある知性体がいるならばコミュニケーションをとるのでもいいし、まずは自分に与えられた力の試運転をしてみるのがいいのかもしれない。


「ちょうど話ができなさそうな野蛮な者達も現れたし」


目の前に現れた緑色の醜悪な小人達、伝え聞くゴブリンだろうが、いずれも強者の雰囲気。


「一度死んだ身なれど、再び生を受け、この世界でのんびり暮らしたい、そのために闘争が必要なれば、我が身の安寧のために戦おうか」


テンマは向き直ると同時に黒い剣を形作る。


「君たちの魂と技能、生まれた経験を喰らうとしよう」


テンマは慈愛の笑みを浮かべ黒い剣を振りかざす。



技能


喰らう者


戦い続ける愚者が手に入れた凶悪なる黒い希望の力。

相対する敵対者を生死問わず喰らい自身の糧にする。

あらゆる技能を手にいれ独自に進化する原初の悪魔の力。


全魔法適正。


万物の魔に愛され適合した証。この世界は魔を知れば適正なしでも扱えるが、

その差は歴然、あらゆる才を持っても適正者である者には叶わないだろう。


無詠唱。


あらゆる魔法の呪文をなくし、イメージで魔法を具現化できる。


並行詠唱


同属性の魔法を同時に詠唱できる。


全武具適正


あらゆる武具を扱う事ができる。


アイテムボックス


亜空間に物質を収納できる。

部屋一つ分。

レベルがあがればまた空間は拡張される。


創造魔法。


自らの能力内で創造しうるものがあれば全て生み出す事ができる。

レベルが上がるにつれて消費魔力は減少。

地球に生み出された道具も創造可能。




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