Day 6-8
9月15日 水曜日
小玥が学校で問題を起こした。
クラスの女子生徒の髪を切ったのだ。
月曜日の朝に学校から電話が来た後、すぐ店に休みをもらって、
できるだけ急いで実家に帰った。
私の心は不安でいっぱいだった。小玥を責めたくなかった。
彼女が皆から後ろ指をさされ、
誰も助けてくれない絶望の淵に立っていることだけが心配だ。
小玥が通っている高校は私の母校だ。
高校生活は嫌いではなかった。地元の人たちは素直でいい人ばかりだった。
私が地元を離れると決めたとき、この学校に小玥のことを任せたら、
のびのび成長できると思った。
学校の面談室に入ると、小玥の無表情な顔が見えた。
周りにはたくさんの人がいて、同じ空間で泣いている声が聞こえてきた。
髪を一部切られた女子生徒だ。
小玥は私を一瞥して、
わずかな間申し訳なさそうな表情をした後、
すぐ相手生徒へ敵意をむき出しにした。
先生が経緯を説明してくれた。
あの女子生徒が飲み物をうっかり小玥の制服にかけたという。
女子生徒がすぐ謝らなかったから、次の日に小玥から仕返しされた。
その場にいた全員に謝った後、
小玥の休みを取り、
一緒に近くの公園へ行った。
小玥の話ではあの女子生徒は夏期講習のときからちょっかいをかけてきたらしく、
飲み物の件もわざと、しかも腐っていたものらしい。
女子生徒とその取り巻きが、悪臭が小玥にぴったりだとからかった。
「姉ちゃん、生きる意味って何?」
小玥は突然聞いてきたが、私はまだ整理できていなかった。
私は不安な気持ちをごまかすため、
そばにあった花を指さした。
「綺麗なものを見るためかもね」
小玥はその話を聞いた後、何も話さなかった。
私はさらに二日間実家にいて、小玥の身の回りの世話をした後、
この街へ戻ってきた。
この街に逃げてきたという言い方のほうが正確だろう。
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