第15話 採集 前編
眩い光が消えた。
「この世に本当に女神様っていたんだ…」
誰かが呟いた。
「あれ…?女神さまって、なんで現れたんだっけ?」
隣にいたエミリが言った。
「えっと、誰かの存在を消しちゃったような…?誰だっけ?」
記憶力に自信のある私にもわからない。
多分その人は孤児院編スタートから数日で消されたモブの極みになるはずだ。
「サ…?」
メアリは少しだけ名前を憶えていたようだ。
「まあいいや、どんな植物が必要か調べよう!
rin....リンザスの花だ!それに、ルペラの実とミール草!」
「あと、アイレンの花!」
「そうそう!あと、ディンとシアバターの実だ!リンザスの花は精油に使うから、それで全部だね!」
会話を思い出すと、謎を解くことが出来た。
「じゃあ、木板に書いておくね!」
「うん、お願いね、ベルティー!」
この世界の貴族ではない人たちは、メモ用紙に木の板を使うらしい。
「リンザスの花、ルペラの実、ミール草、アイレンの花…あとなんだっけ?」
「ディンとシアバターの実かな?」
「そうだそうだ!ディン、シアバターの実…っと。
じゃあ、ルピス、メアリ、エミリ、森へ行こう!」
「はーい!じゃあ私、倉庫から採集道具持ってくるね!」
「私は、軽食用にマゼンタから貰ったクッキーがあったはずだから、部屋から取ってきます。」
「エミリ、メアリ、お願いね!私とルピスは外出書を取ってくる!」
「玄関で待ってるね!」
「マーレ先生、森へ行くので許可を下さい!」
「分かったわ。外出書を書いて、行ってらっしゃい!」
外出書の板にペンのようなもので名前と目的、同行者の名前を書く。
全員が書き終えると、マーレ先生がサインをし、森へ向かった。
「ふー、着いたね!」
「うん…」
「リンザスの花とアイレンの花がいっぱい咲いているところに向かいましょう!」
「だね、メアリ!」
2人の後を追い、つり橋を渡る。
「うわぁ、めっちゃ揺れる…怖い…」
「大丈夫だよ!この橋、めっちゃ丈夫だもん!」
「花の採集をしたら、この橋の下の川辺でディンの実とルペラの実とミール草の採集をしましょう!」
「だね!あそこのディンの木、大きいから実がたくさんとれそう!」
震えながらなんとか橋を渡りきり、数分歩いた先に、紫の花と水色の花が数え切れないほどに咲き乱れていた。
メアリによると、紫の花がリンザスの花、水色の花がアイレンの花らしい。
見た目的にはリンザスの花がラベンダー、アイレンの花がクロッカスのような形だ。
アイレンの花はよく見ると半透明で、まさに異世界の花といった感じだ。
「この花を、それぞれ40本くらい採集しよう!1人20本で、メアリとエミリがリンザスの花、私とルピスがアイレンの花を採集、でいいかな?」
「うん!」
「分かった!」
「はい!」
「じゃあ始めよう!あまり遠くには行かないようにね!
アイレンの花は根っこからも水が採れるから、切らずに引っこ抜くようにね!」
「はーい!」
背負っている籠からスコップを取り出し、花を摘んでいく。
茎は青色で、全体がひんやりとしていて、花弁は中に水が入っているかのようにぷにぷにとしている。
…この花、マジで異世界だわ…
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お久しぶりです、猫原獅乃です。
なんか変なところで終わってますが、気にしないでください…
すぐに後編出すので…出せたらいいな
異世界転生奇譚~植物好きと食べ物好きと手芸好きと野球好きは、同じ世界に転生した~ 猫原未瑚 @MikoMikko
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