第9話 はじめてのごはん
ここは孤児院。
「お昼ご飯何だろう?お腹すいた~」
あたしは茜。今はルイドという異世界の元貴族の男子になっている。
「二人とも、配膳当番なんだ。来て早々大変だけど、手伝ってくれないかな?」
黒髪に碧眼のミオが配膳の手伝いをやるように言ってきた。
「「もちろん、手伝うよ!」」
「じゃあ、お盆に私が食べ物を乗せてくから、それを机の上に並べて。」
「「はい!」」
6人班の机が9つあり、その1つ1つの机にオニオングラタンスープとパン、グレービーソースのようなものがかかったサラダを並べていく。
「美味しそう!」
全ての机に食べ物を並べると、1列に並んでいる子供達にエートが木のコップを1人1つ渡していく。
空のコップをもってそれぞれが自分の席につくと、ミオがポットに入ったコルデという甘酸っぱくて赤い果実のジュースをコップに入れていく。
9つ目の机の最後の子までジュースが行き渡ると、ミオとエートもそれぞれの席についた。
マーレさんが前に出てきて、
「いただきます」の号令をかける。
「いただきます。」
「「「いただきまーっす!」」」
小学校の給食のように、皆和気あいあいとした雰囲気で食事をしている。
僕はさっそく湯気の立つオニオンスープに手を付けた。
「わあ、このスープ美味しい!」
隣でこくこくと頷くミオ。
「ここのスープはとっても美味しいの!調理当番はあと少しで私たちに回ってくるから、頑張らないとね!」
続いてエート。
「このサラダのドレッシングも美味しいんだ。当番によって味が変わるんだよ!」
なんと当番の子達の好みによって、ナッツドレッシングやシーザードレッシング、バジルドレッシングになったりするらしい。
僕たちはどんなドレッシングを作ろうかと考えていると、向かい合っているミオとエートの横に座っていた女の子たちが話しかけてきた。
「私はエミリ。8歳よ!」
「わたしはメアリ。エミリの双子の妹で、8歳です。」
エミリは快活そうな子で、二本三つ編みのオレンジの髪に、黄色の目をしている。
メアリはおしとやかな子で、一本三つ編みの深い赤の髪にオレンジ色の目だ。
「わたしはルピス。エミリちゃん、メアリちゃん、よろしく!」
「僕はルイド。エミリちゃん、メアリちゃん、よろしくね。」
「このジュース、私たちが絞ったの!ね、メアリ!」
「ええ、疲れたけれど甘くておいしいわ、エミリお姉ちゃん。」
すると、通路を挟んで隣に座っている男の人も話しかけてきた。
「よぉ、俺はミサト。この中で最年長の18歳さ。二人とも、よろしくな!」
赤色の髪に紺色の目の、頼りがいのあるイケボのお兄さんだ。
「こんにちは。僕はルートン。16歳だよ。よろしくね。」
金色の髪と緑色の目の優しそうな人だ。
「やあ、僕はリーヌス。ルートンと同じく16歳!よろしくね!」
かわいらしい雰囲気の、赤髪に紫とオレンジのオッドアイの人だ。
「俺はジェラトン。よろしくな、二人とも。」
茶色の髪に緑色の目のなんだか面白そうな人だ。
「僕はナナリー。ミサトと同い年の18歳だよ。よろしくね!」
皆のまとめ役、みたいな雰囲気の赤紫の髪と目の人だ。
「俺はロン。17歳だよ!よろしくな。」
青色の髪に水色の目のやんちゃな感じの人だ。
「6人とも、よろしくお願いします!」
「ミサトさん、ルートンさん、リーヌスさん、ジェラトンさん、ナナリーさん、
あと、誰だっけ~…えっと、ロ、ロ…」
ルピスがロンさんの名前を忘れていたので、小さな声で囁く。
『ロンさんだよ、ルピス!』
「あ、ロンさんだ!よろしくおねがいしま~す!」
「一番短い名前のはずなのに忘れられたね、ロン。」
とルートンさん。
「…」
静かなロンさん。
「ご、ごめんなさい!」
謝るルピス。
ともかく、楽しい生活が始まりそうで、よかった!
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