第6話 謎の水柱

どぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!

「ぎゃんっ!」

自分の部屋でうずくまっていると、突然窓の外に轟音とともに水柱が立った。

「な、何事…⁉…怖かったぁ」

特に何も被害は無かったようだが、物好きの貴族たちがわらわらと出てきた。

その様子を呆然としながら見ていると、ガチャ、と音を立ててドアが開いた。

「どなたですか?」

「ルピス様、ルーブェリです!ルイド様が倒れられました!」

確かルーブェリは私の側仕えだった気がする。

いくら雑に扱っている相手とは言え、倒れたのだ。

かなり慌てているように見える。

「ええっ⁉今すぐ行きますわっ!」

さっきの水柱や轟音と何か関係があるのだろうかと考えると、全身に悪寒が走る。

ルーブェリの制止を聞かずに、廊下を走る。

「『茜』お姉ちゃん、『茜』お姉ちゃん…!」

『茜』という発言がこの世界の私達以外では『@;\!$#&』みたいな感じで聞こえていて、この世界では男の茜に対して『お姉ちゃん』と呼ぶのが訝しまれる行為で、その後そのせいで大変なことになるということに気付かない程に動揺していた。

「『茜』お姉ちゃん、『茜』お姉ちゃん…!」

「ルピス様、ルイド様の部屋を過ぎていますわよ⁉」

「えっ、ああ、はぃ」

こちらの言語で「ルイドの部屋」と書かれたプレートが掛かったドアを勢い良く開けると、屋根裏部屋のような部屋があった。

「『茜』お姉ちゃん!」

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