第2話 新しい世界

「いやいや碧、歌うたってる場合じゃねえだろ。

ここ、どこよ?」

「ん―、異世界?」

「だよな。そうとしか思えないよな。」

「うーん…」

「やばいな展開だな…どうする?」

「わからん」

僕は水野碧。北中の1年生…だった。

いまは、多分異世界にいる。

「うわっ」

「何だよ⁉」

脳をぐちゃぐちゃにされるような不快感。

思わず双子の姉の茜といっしょに声が出てしまった。

不快感が終わると、そこには自分ではない人の記憶があった。

「なんだ、これ?」

記憶を探ってみると、様々な情報が得られた。

まず今の僕は女の子で、名前はルピス。10歳になったばかり。

どうやらこの世界は、10歳の誕生日祭典というものを終えると貴族学校へ行くらしい。「え、ちょっとまってちょっとまって。」

ルピスのかみの毛はふわふわのロングで、綺麗な水色をしていた。

それに眼は金と銀のオッドアイ。言っておくが、髪を染めたわけでも、鬘でもないしカラコンをしているわけでもないらしい。奇妙だ。

それに奇妙な髪色や眼の色をしているのはルピスだけでない。

ルピスの母親アーリアディーナは紫色の髪に銀色の眼。

貴族学校とやらの魔術学(⁉)の先生をしているらしい。父親のアイラードはエメラルド色の髪に金色の瞳。領主候補生のアイノメティウスの護衛騎士だ。双子の兄ルイドは紺色の髪に同じく金と銀のオッドアイ。ちなみにオッドアイもそこまで珍しくはないらしい。なおさら奇妙だ。

そして目の前にいる姉は恐らく兄ルイドの見た目をしている。

今僕たちのいる国はアーレイベーテイック。

本名はルピス《自分の名前》・アーレイベーティック《領地の名前》・アーリアディーナ《同性の親の名前》となるらしい。

ややこしい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る