茜&碧⇔ルイド&ルピス編 全ての始まり

第1話 まさかの異世界転移

アタシは水野茜。北中の1年生。

食べ歩きが大好きで、双子の弟・あおいがいる。

碧はアタシと違い食べることにあまり興味がない。

碧が好きなのは手芸。ミシンや手縫いはもちろん、編み物や刺繍、

羊毛…フェル…ト?だったっけ?とかいうのも得意で、アタシが調理実習以外全て苦手としている家庭科の授業も大得意だ。

ちなみにアタシはよく男子みたいと言われ、碧はよく女子っぽいと言われるらしい。

それもそのはず、アタシは言葉遣いが荒く、髪の毛だってベリーショート。

顔だちも男子っぽいし、制服もネクタイにズボンだ。

対する碧は、喋り方がキャラキャラした感じで髪の毛はゆるふわの髪のポニーテール、パステルカラーが良く似合う。顔だちも、しょっちゅう女の子と間違われるほどだ。

二人とも、自分たちがそれぞれ男だったら、女だったら良かったのに、と思い続けてきた。

アタシは今部活(卓球部)が終わって下校途中だ。

碧はもちろん家庭科部に所属している。

てくてくと歩いていると、誰かの気配がした。


「あーかね!」

「うんわっ!びっくりさせんなよっ」

「ゴメンゴメン!これ、今日家庭科部で作ったんだ!」

家庭科部では最近、使わなくなった服をリメイクしているらしい。

今回碧が作ったのはサイズの小さくなったジーンズで出来たトートバック。

暇でやったという刺繍は、細かく美しい水色の薔薇。

「うわ、すげー」

「いいでしょ?」

「自己肯定力高いな。」

「それは茜もでしょ?」

「それもそうだな。」

そんな会話をしていると、突然。

強い光が向かってきた。

車のライトとか、そういうレベルのものではない。

眩しくて思わず眼を瞑る。



何事………………………………………………?



眼を開けると、そこには―――

「うわあっ!」

目の前に、見たことのない街並み。

かなり白に近いパステル調のカラフルな建物が連なる、夢のような町。

下には石畳、上には青い空。

碧が思わず、「空は青く澄み渡り―」

と歌い始めるほどの、いい景色。

「いやいや碧、歌は歌うな。

ここ、どこよ?」

「んー、異世界?」

「だよな。そうとしか思えないよな。」

やばい展開になってきた。どうする?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

麻紀香とマリリーンのシリーズが終わり、次は茜と碧、ルイドとルピスのシリーズ。

2人はこれから、どうなっていくのでしょうか?

お楽しみに!

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