第32話 まさかの

目が覚めたら、見知らぬ世界にいた。

と言うのは嘘で、

目が覚めたら、あの、懐かしい懐かしくてたまらないあの世界にいた。

「ん?」

私の体がでかい。そう、成長していた。

ベッドを抜け出して、あの懐かしい鏡を見ると、あの懐かしい私の、本物の私の姿が見えた。

「…この体が生きてたってことは、マリリーンと入れ替わってたってこと?」

そんな呟きに応えるように、はらりと1枚の紙が舞い降りてきた。

そこには走り書きでこう書いてある。

『こんにちは、私はマリリーンです。時間がないので短く説明します。

あなたと私は私が6歳くらいの時に入れ替わりました。

私は最初、とても苦労しましたが、柔軟性と言うやつでしょう。あっという間にこの世界になじむことが出来ました。あなたはどうでしたか?

そして私のもとに、昨日1つの手紙が届きました。すべての世界を治める神様からのものです。

内容が気になるようであれば、机の上に置いたままになっているはずなので読んでみてください』

そこでいったん読むのを区切り、神様からの手紙とやらを手に取る。

装飾的な文章を取り払うと、このような文章だった。

『あなたがたは第87回転生会により転生した。

そして明日、転生してから基準時間で1年がたつ。

それによって、明日から元の世界に戻ることを連絡します。』

と言うものだった。

もう1つの手に持ったままだったマリリーンの手紙に目を戻す。

『あなたは今高校3年生です。

枕元に記憶を複製して凝縮した、神様が作ってくれたチップがあるので、

それを後で触ってくれれば今までの記憶が読み込めます。

最後になりますが、申し訳ないことにスマートフォンを持ったまま元の世界に転生してしまいそうです。もしもなかったら、申し訳ございません…

それではま』

どうやらこの手紙を書いている途中で転生してしまったようだ。

「ありゃりゃ、どうしよう。新しいスマホの言い訳、考えないとだ。

充電器もいっしょに転生しちゃったっぽいな。参った…

あ!いいこと思いついた。」

私はこれから、また元の世界を歩む。

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まだこれで終わりじゃないです。気を付けてください!!

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